2050年には日本の女性の平均寿命が90歳を超えると言われています。2017年『世界幸福度ランキング』によると、日本は155か国中51位でした。前年より順位を2つ上げたものの、先進国のなかでは低いです。子どものためといっても、本当に子どものためでしょうか。親である自分の見栄や世間体のために過剰な教育投資をしてお金を貯めていませんか? 住宅購入も、本当に新築であることが必要ですか? 何千万円もするマイホームが本当に必要ですか? 老後の心配でも「最低でも3000万円は必要」という数字に踊らされていませんか?それがうまくいかないから、悩んでいるのにと思う人もいるでしょう。しかし、「自分にとって必要なこと」って何なのかです。確かに将来の年金制度は不安で、リタイア後の時間は長くなっているのに年金は減額傾向。いったい自分たちはいくらもらえるのか、と思うと老後資金もなんとかしたいと考えます。投資など自分には必要ないと思う人もいるかもしれませんが、現在のように金利が低いとなかなかお金が増えません。お金に働いてもらう方法を知らないと、貯蓄を取り崩すばかりで寿命の前に底をついてしまうかもしれません。
三菱UFJ信託銀行の正岡利之さんは投資のセミナーを行っている経験から、お金は幸せになるための手段の1つだが、お金をたくさん持ったとしても、幸せになるとは限らないと言います。男性も退職してからの人生も長いので『年をとっても幸せを感じられるための準備』と考えるのもいいのではないでしょうか。2018年からは、国の制度として積み立てNISAという非課税制度が始まり、お薦めだと言います。正岡さんは、幸せと投資はつながっていると言います。自分と正面から向き合うことは、自分の幸せと向き合うことにもなるかもしれません。
シニアの暮らし研究所の高齢者住宅アドバイザー・岡本弘子さんは「今は終活という言葉が一般的になり、エンディングノートを書く人が増えるなど、死について触れることがタブーではない時代になっています。高齢者は、認知症になったとき、自身が要介護状態になったとき、亡くなるときにどうしたいのか、その意志をしっかり書き残しておくことが大事です。そして、ぜひ書いた内容を家族に話しておいてください。」
と言います。
インフルエンザや急な病気などで高齢者が寝込んでしまうと一気に身体不如意に陥り自身で選択できる状況ではなくなってしまう、といった事態が起こるものです。そこで、65歳を過ぎたころから、自分の意志を家族にしっかり伝えて、準備をしておくことが大事だといいます。高齢者は体が弱ってくると自身で車を運転するのも出来なくなり、かといって長い距離も歩けません。
終の棲家の立地としては「生活の利便性がいい」ことが大事になるといいます。最寄り駅やバス停までの距離が近くて出掛けやすいことや、スーパー・銀行・市役所など普段の生活の中で利用する拠点ができるだけ徒歩10分以内にあることなどは、重視した方がいいそうです。駅前のエリアであれば、自然と介護拠点や医療機関も多くなるため、高齢者が自分に合った介護拠点や医師のいる病院を選べるというメリットもあります。 その他、終の棲家にはこのような間取りや設備がおすすめでしょう。
◆間取り
・1人暮らしなら30平米くらいが適正サイズ(足腰が弱ってくると、部屋の中を移動する際にも、椅子やテーブルの端に触りながら移動できる方が安心である。そうした導線を考えると、広いリビングは不要) 「こうした、コンパクトな部屋に住み替える際の第一歩目は、荷物の処分からです。これから先の生活の中で、『必ず使うもの』と『すごく気にいっているもの』だけを残して、その他は全部処分。まずは身の回りをすっきりさせることから始めましょう。」 また、高齢者向け施設の中には、駅から離れていても施設内にレストランや大浴場、多目的ルームやホビールームなど、共用部が充実している物件もあります。経済的な余裕があれば、そうした場所に住むのも1つの選択肢です。
◆設備
・バリアフリー(高齢者は足腰が弱くて転倒しやすいため、階段や段差はNG)
・手すり(廊下やトイレ、お風呂など)
・引き戸(開閉の際に体を後退させなくていい分、扉にぶつからない/車椅子になったときにも通りやすい)
・空調(高齢者は寒さで体調を崩しやすく、急激な温度差によって体に悪影響が出る「ヒートショック」も起こりやすい。居宅全体に空調を効かすことができて、扉を開けても「寒い!」とならない内廊下型の建物が理想。)
参照HP:https://www.tr.mufg.jp/life-shisan/column/25.html?ad_id=21624&ad_type=1
http://shinia-kurashi.jp/
つづき