日米野球が連日熱い戦いをしている最中、アメリカから嬉しい知らせが届いた。エンジェルスの大谷翔平選手がMLBアメリカンリーグの新人王に選ばれた。日本選手が大リーグの新人王に選ばれたのは、1995年の野茂英雄投手、2000年の佐々木主浩投手、2001年のイチロー選手に続いて4人目。デビューの年の新人である時期にのみにしか選出されないのであるから、名誉ある賞である。
今年のアメリカンリーグの新人王争いはハイレベルであった。2位のヤンキースのアンドウハー選手は打率2割9分7厘、ホームラン27本、92打点の好成績。大谷選手がいなければ、新人王になって全くおかしくない成績であった。ヤンキースの地元、ニューヨーク・タイムズは「大抵のシーズンであれば、新人王受賞に有利であったが、大谷の普通ではない才能やサードの守備のまずさが不利に働いた」と悔しさをにじませて報じたとNHKは伝えている。
やはり、今年の新人王をとる決め手は100年前に投打で活躍したベーブ・ルース以来となる「二刀流」であったことは間違いない。ピッチャーで4勝、バッターでホームラン22本。肘の故障で当番回数が少なく、4勝にとどまったものの、米国でも160キロ、100マイルの球速を投げる投手は少ない。最初はともかく、懐疑的だった米国の記者も、無視できない投打の怪物ぶりに、きちんと評価をしたと言えるだろう。
来年は肘のリハビリで投手としての登板は難かしそうだが、集中してバッターで大活躍できるだろう。イチロー選手のように長くMLBで活躍し、数多くの賞を獲得し、そして気が早いかもしれないがファンとしては、米国でその実力を永久に刻まれる野球殿堂入りを果たしてほしいのだ。日本人として、世界で活躍する若者がこんな風に、最初懐疑的であった人たちをみごとに変えていくのを見られて爽快であった、益々これから実力を蓄えて、彼を愛してやまない米国ファンを沢山つくって欲しい。確実にそうなっていくだろう。なぜなら、ベイブルースが愛されたようにその素質が彼の笑顔の中に隠されているからだ。