9月20日開票の自民党総裁選の党員・党友票(405票)で、連続3選を果たした安倍晋三首相は37都道府県で石破茂元幹事長を上回った。高い得票率を上げた地域は、首相を支持した派閥幹部の地盤が目立った。ただ、接戦だった地域も多く、首相の得票率55%は、81%だった国会議員票との差が顕著となった。
首相が最も高い得票率を上げたのは出身の山口県で、87.6%だった。2位は二階派(志帥会)を率いる二階俊博幹事長のおひざ元の和歌山県(81.3%)、3位は岸田派(宏池会)会長の岸田文雄政調会長の地元の広島県(71.0%)だった。麻生派(志公会)会長の麻生太郎副総理兼財務相の地元の福岡県も64.0%で6位に入った。
一方、石破氏が勝利したのは10県で、最も高い得票率だったのは出身の鳥取県の95.0%。石破氏を支持した竹下派(平成研究会)会長の竹下亘総務会長が地盤とする島根県も77.4%が石破氏に投票した。
接戦の地域は多く、石破氏を支持した吉田博美参院幹事長の地元の長野県では首相が勝利したが、石破氏との差はわずか15票。25都道府県では首相の得票率は5割台にとどまった。8月末に出馬を断念した野田聖子総務相の地元の岐阜県でも首相が勝利したが、石破氏との得票率の差は6.4ポイント。同県では全国最多の374人が無効票を投じた。
今回の投票率は61.7%で、前回投票が行われた24年総裁選(62.5%)から微減した。
出典:産経新聞