健康寿命”は2000年にWHO(世界保健機関)が初めて提唱しました。WHOのいう健康寿命とは、「平均寿命から”日常的・継続的な医療・介護に依存して生きる期間”を除いた期間」のことです。健康寿命とは、つまり、介護を必要とせず自立した生活を過ごせる期間。社会保障費の抑制のためにも健康寿命を延ばすことが重要です。
厚労省の研究班が3年に1度の国民生活基礎調査(大規模調査)を活用し、熊本地震の影響で調査ができなかった熊本を除く46都道府県の健康寿命を推計し、2016年「健康寿命」の推計値を発表していました。都道府県別でみると1位は、男性は山梨の73・21歳、女性は愛知の76・32歳。男性は埼玉73・10歳、茨城72・50歳、千葉72・37歳、神奈川72・30歳、栃木72・12歳、東京72・00歳が順位をあげ、女性は愛知に続く2位の三重(76.30歳)は前回の8位から順位を上げた。女性は栃木75・73歳、茨城75・52歳、千葉75・17歳、埼玉74・67歳、神奈川74・63歳、東京74・24歳。埼玉は前回の21位から大きく順位を上げた。女性の前回首位であった山梨(76.22歳)は今回3位。最下位は広島(73.62歳)で1位と46位を比べると男性2・00年、女性2・70年の差があった。最下位は秋田(71.21歳)だった。男性3位は愛知(73.06歳)で、こちらも前回の12位から上昇。
男女とも健康寿命が長い山梨について、厚労省は「山梨は男性の野菜摂取量が多いほか、男女ともがん検診の受診率が高い」と話す。愛知については健康づくりの指導者を養成し、運動する住民を増やしてきた取り組みなどが「不健康な期間」が縮まったのではないかとみている。
現在の日本人の健康寿命は、世界保健統計2016では、男女平均で74.9歳でした、それ以前の2010年のデータでの健康寿命では男性が68.8歳、女性が71.1歳、となっていました。この統計で、寝たきりになってしまう期間について単純計算すると日本以外の国では、7年程度ですが、日本男性では9.2年、女性では12.7年にも達していて、世界一になっています。
世界ランキングの日本の女性健康寿命は、77才で、世界ランキングの順位は1位です。男性順位で日本は2位、約75歳です。ランキングの1位はシンガポールの76才、3位はキプロスの74才です。ランキングの最下位は地域紛争の激しいシエラレオネの39才です。もっとも、日本には高齢化の指標が3つあるので、2015年・高齢社会白書によれば、75歳以上で要介護認定を受けている人は23パーセントです。ですから、平均的に男70歳、女75歳程度の時点で「健康寿命が尽きる」とは実感としては納得しにくいのかんじです。