厚生労働省は本年3月に、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が、2016年までの調査によって、男性72.14歳、女性74.79歳だったと公表した。 平均寿命と健康寿命の差は、介護などが必要となる期間。この差を縮めることが社会保障費の抑制につながる。
厚労省の研究班が3年に1度の国民生活基礎調査(大規模調査)を使って推計した。熊本地震の影響で調査できなかった熊本を除く46都道府県のデータを使用した。前回(13年時点)と比べ男性が0.95歳、女性は0.58歳延びた。平均寿命との差も男女とも縮小した。厚労省は食生活の改善などが寄与していると分析している。
健康寿命は男女ともに年々延びている。
男性は01年に69.40歳だったのが、07年に70.33歳と70歳を超え、16年は72.14歳まで延びた。
女性は01年に72.65歳だったのが、16年は74.79歳まで延びた。
16年の平均寿命と健康寿命の差は男性8.84年、女性12.35年。13年と比べると男性0.18年、女性0.05年改善した。
研究班の代表を務める辻一郎・東北大教授(公衆衛生学)は「要介護の大きな原因となる脳血管疾患の患者が、生活習慣の改善で減っている」と指摘。「高齢者の社会参加の場が広がっていることも健康寿命の延びにつながっている」とみている。
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