平昌五輪のフィギュアスケート男子で連覇を達成した羽生結弦(23)が2日、官邸で行われた国民栄誉賞授与式に出席。授与式に羽生は凛々しい「仙台平」の紋付き袴姿で登場。 袴は仙台地方で産する精巧な絹の最高級絹織物の袴地「仙台平」の人間国宝で染織家の甲田綏郎氏から贈られた逸品を仕立てた。元禄(1688〜1704)ごろ、仙台伊達藩主が西陣から織工を招いて始めたという。
安倍首相から表彰状や盾を受け取った。今後について「試合にいくつか出て準備を整えて、達成したいこと、達成したい技がいろいろありますのでそちらを優先して体を整えて精進したい」とコメントした。
受賞後、報道陣の取材に応じた羽生は「自分だけで取れるものではない。環境にも恵まれてもらえた賞。これからもこの賞と期待に恥じないように頑張っていきたい」と気を引き締めた。
羽生は14年ソチ五輪でフィギュアスケート日本人男子として五輪史上初の金メダルを獲得。この間に東日本大震災の影響でスケートリンクが使えない事態になるが、地元の応援で練習を続けることに。被災地を勇気づける演技をと厳しい訓練にも耐えて、フィギュア男子の五輪2連覇は66年ぶりの快挙だった。今年の平昌五輪では連覇を達成し、日本勢の大会金メダル第1号となるとともに、冬季五輪史上1000個目の金メダルを手にした。
過去の受賞者は26の個人・団体。五輪金メダリストではこれまでレスリング女子の吉田沙保里、伊調馨、柔道の山下泰裕、女子マラソンの高橋尚子に授与されているが冬季五輪選手としては史上初。しかも羽生はまだ23歳で、84年の山下泰裕の27歳を大幅に更新して個人としては最年少受賞となった。個人としては最年少での受賞で、スケート界で初、冬季五輪の選手としても初めてとなる受賞となった。