第二次安倍政権になって日本人は7%も所得が減った今、終身雇用に滅私奉公を強いられた時代ではあったものの、大卒男性であれば大手企業に生涯雇用され退職金を保障される為、「結婚相手」を紹介したがる巷のおせっかいも社会状況にありました。結婚の仲介、仲人をすることは徳目とされた時代背景がありました。今やパワハラ、セクハラだと誤解されることもあって、人のおせっかいを焼く人は皆無でしょう。女性は自らの収入を得て気ままに暮らせる時代、「クリスマス・ケーキ」の昔話のような年齢で結婚を焦ることも、20代での出産を急ぐことも先送りされ、男性の職業分野に寝食できるようになりました。かつて、配偶者、家族を養うのは男性の務めで、妻を働かせるなどは恥だと言われもしたくらいでしたが、今や女性が働くなどは「当然」、「育児なし」などはあり得ない話です。週末に夫婦のお出かけで赤ちゃんのいる場合、抱っこひもを下げる率はダントツ男性です。
それもそのはず、かつては土曜日も半ドンとは言え出勤し、接待付き合いやら、接待ゴルフで5時で勤務が終わると思うな、週末もお得意先のご機嫌伺いに神経をすり減らすような、「滅私奉公」と言われる雇用形態が常態化しており、週末は休養をとり家でゴロゴロするのが夫たちのせめてもの日曜日でした。「亭主元気で外がいい」とのまことしやかな戯言が、時代を表しています。97年は30代において最も分布が多かった勤労者の所得額は、500万円から699万円でしたが、2012年には300万円から499万円にシフトしているのは、少子化対策で女性たちも正社員として雇われるようになったため、二人合算の家計でこなせるようになった分が男性だけが高給を得られると言う時代から状況変化したという訳です(平成29年版 少子化社会対策白書)。
核家族の言われた団塊の世代の購買欲は、住宅ローンを組み、三種の神器といわれたテレビ、エアコン、車を競争のように買い、娘にピアノを習わせ、息子に野球、水泳を習わせ、主婦は家計簿とにらめっこで、夫の小遣い差配したのは当然の結果だったです。しかし、彼女たちを見て育った娘たちは、結婚を最優先になどしなくて良くなったため、結婚をするために男性への厳しい「三高」要求を反故にした。男性に頼って生きるしか選択肢がなかった旧弊に従い、不幸な選択をした母たちを多く目の当たりにしたからなのかもしれない。
日本は皆中流意識を持つことが出来た時代は崩壊した。
国内市場には、アジアの安価な商品があふれる。日本はより高度精密なモノをつくらなくてはならない。男性であれば「ワーカー」になれた時代は終了して、女性は宅急便を夜遅くでも配達するし、バスやトラックを運転するし、ゴミ収集車にもハンドルを握ってくる。お淑やかでないと嫁の貰い手がないなど、誰がいうのだろう、料理、お茶、お花などの花嫁修業も廃れ、今やスマホで男たちはレシピを探して、彼女に手料理をご馳走する。彼らはファッションはおろか美容にも目配りに余念がない。かつて、無職女性は「家事見習い」など、20代をまことしやかに親元で暮らした。それが男の財布の紐を握るまでのお淑やかさのアピールや結婚するまで処女などとのタブーもどこへやらの時代に、正規雇用でなくなった男性もいる時代にもはびこる男のメンツを救済するような場はないが、そうかと言って結婚できなくてもコンビニに行けば一人分の食事もエンターテイメントもそこそこ揃うのだ。高級なモノがいる見栄を張る場もなくなってきて、キモノも売れず、家、車も買わず、ローンを組むまでして夫の尻を叩く妻もいなくなって、それゆえ国内マーケットは変化したというわけなのです。
日本人全体で見ても、20年間で実質15%、賃金が下がりました。(厚生労働省)先進国ではありえないほどのスピードで貧乏になっています。こんな状況の中、最大の危機が訪れようとしています。