入浴時に、ボディシャンプーやボディソープなどでしっかり体を洗うことは、私たちにとって長年の常識でした。それが、2007年頃から「洗浄剤を使うのは最小限にして、しっかり保湿する」というスキンケアが、医師の間でも広がり始めたことが、大きく影響しています。
究極は10分以上、好みの湯温の湯船につかるだけで洗わない ➡ 美肌を損なう洗浄時の肌への摩擦を軽減
湯船につかる ➡ ストレス発散を兼ねてリラックスできる ➡ 血行がよくなり、新陳代謝が促進される
この「リラックス入浴法」には、上記のように多くのメリットがあると分かってきました。
なぜ「つかるだけ」が却って美肌になるのか?
皮膚の汚れはほとんどが水溶性で、そうでない汚れも3〜4日すればお湯で洗い流せるので、毎日きちんと入浴(湯船だけでなくシャワーでもOK)していれば、清潔を保てるというわけです!
ニキビの出る年ごろではないのに、10−20代の頃と同じにしっかり洗い過ぎてしまうと、肌の保湿に必要な皮脂や皮膚常在菌までも落ちてしまうのです。そして、“かくれ乾燥肌 = インナードライ肌”になる可能性が・・・・それは、顔の表面がテカって皮脂が分泌されているのに、顔だけでなく体の皮膚の内側は実はカラカラに乾いている“かくれ乾燥肌”です。よく知られる脂性肌、乾燥肌、敏感肌に並ぶ肌質のひとつとされています。
こうしたインナードライ肌になる原因はいろいろありますが、そういう人が注意したいのは、表面の皮脂に気を取られるあまり、脂性肌のようなケアをしてしまうこと。しっかり洗ってスキンケアをしているのに肌の状態が安定しないと悩みを抱えている方は、試してみてはいかがでしょう。気づかないうちに、肌のテカリを取ろうとゴシゴシ洗いで失うものが多い ➡ それに対抗して表面上は皮脂が多く分泌されるが、皮膚の内側が水分を取り込みにくくなってしまう ➡ さらに内部乾燥が進んでしまう悪循環を招いている可能性があります。つかるだけ入浴法」では、そのひとつである洗い過ぎや肌への摩擦を減らせるので、肌状態が改善する場合があります。このように最近の肌の状態が気になる人ぜひ気軽に試してみてください。
ただし、さっぱりした感触で肌に成分が残りにくいシンプルな固形石けんを使うのがおすすめです
※「日本経済新聞」電信版(2014年2月2日)より