花祭りの今日は釈尊のお生まれになったとされる日だ。子どもの頃に「釈迦」という美しい映画を見て以来、釈尊の生き方に興味を持っていた。仏教経典を読んだり、仏像の研究書を手にしたり、インド人のペンパルの家に泊めてもらうなどして北インドの仏跡を旅した事もある。東洋思想の根本に釈尊の教えがある。そこで、石川洋著 『こころの杖ことば 笑顔開運』(ぱるす出版)になかなか含蓄のあることが記されていたので、書き留めてみた。下記、そのご紹介です。
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釈尊は人間がこの世になしておくべきことは、生まれ変わり、生まれ変わり、一粒でも善きタネを地上に播くことであると諭して下さっている。間違っても、怒りや憎しみ、苦しみや悲しみのタネを播いてはならない。
できることならば「苦しい時はあっても苦しい人生はない」おかげ様の感謝のタネを人生の結語として播かせていただくことである。
《百年の根を養うこと》
百年の根とは徳を養うことである。人間が最後の最後まで抜け切らないものは小さな欲心である。「念ずれば花ひらく」で知られる坂村真民先生が「芭蕉が晩年、死を覚悟して奥の細道の旅に出られたのは、駄目になる自分をさらけ出して、自分を磨くためであった」といわれている。 感動してお電話をおかけした。90歳になる先生が、「それがわかるのは私の歳になってからだよ」と答えられた。 耳底にのこされた忘れられないご教示である。
また、「帰る時には来たときよりも美しく」という、しみじみとした先人の名言がある。できるならば、過去に無限の恩を感じ、未来に無窮の恵みを信じて、笑顔で人生を全うしたいものである。
かつての歌人・会津八一氏が「あめつちにわれひとりいてたつごときこのさびしさをきみはほほえむ」と、奈良法隆寺・夢殿の救世観音にささげられている。人生の美しさは一切を受けとめて、微笑みを拝する人になることであろう。