CMに左右されない人が確実に増えてきた。 昨今は、そもそもテレビや新聞を見ない若者が本当に増えてきたという。反対に、高齢者はテレビや新聞にどっぷり浸かっている。その影響が、今回の選挙に如実に出た。
それは、選挙だけでなく、実際の消費行動もまったく同じだ。まさに、消費行動は、「 身近な知り合いからの口コミ情報」に大きく影響される。
今、SNS時代の企業の行動が変わった。
これまで時代を大きく動かしてきたのはマスメディアです。
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌を経由して、マス広告という形で世間にはモノやサービスの情報がもたらされていきました。
たとえば、この本を大々的に売りたいなら、ほんのつい最近まではマス広告をどかんと打てばよかったわけです。 などと派手に広告することで、「この本はすごいらしいぞ!」とみなが手に取ってくれました。しかし今は、マス広告に対する消費者の反応が大きく変わりました。世間が広告やメディア情報を信用しなくなってきているのです。
インターネットやソーシャルメディアの普及によって、広告の効果も、そのあり方もがらりと変わってしまいました。マスメディアの情報でなく、人々が自分で「正しい」と思う情報だけを選ぶようになったのです。
ニュースだけでなく、美味しいレストランやおしゃれなカフェ、ファッションやコスメ、本や音楽、映画などについても、口コミやレビュー、評価の☆の数を見て店を選んだり、商品の購入を決めています。
一般人のリアルな口コミこそが、人々の「買うか買わないか」の決め手になっているのです。インターネットやソーシャルメディアに慣れ親しんだ若年層ほど、その傾向は強くなります。 若者向けの商品やサービスを展開しているベンチャー企業などが、一気に台頭するのは、このソーシャルメディア時代の波をうまく捉え、流れに乗っているからでしょう。
簡潔に言ってしまえば、今、モノが売れるか否かの決め手となるのは「誰かの声」なのです。
ただし、誰でもいいわけではありません。自分の知っている人、自分の信頼している人たちが話題にしていることに人々は大きく影響されます。ソーシャルメディア上での身近な知り合いからの口コミ情報を何よりも信用します。
この口コミ情報をどのように活用するかが、今、商品が「売れる」「売れない」の分岐点になっているのです。
『買う理由は雰囲気が9割』あさ出版