誰がなんと言おうと、明らかに世の中はよくなっています。
たとえば今より少し前、江戸時代のことをちょっと考えてみましょう。
江戸時代は将軍様の家にだって、扇風機なんかありませんでした。
冷蔵庫もなかった。
その時代から少しずつよくなってきて、今はどの家にも冷蔵庫があります。
扇風機どころかクーラーだってあります。
いつの間にか、私たちは将軍様よりいい暮らしが送れるようになっているんです。
この世の中にはどんなにいいことを並べられても、不安に思ってしまう不安症がいる。
つまり、「世の中はどんどんダメになっていく」と考えるタイプの人間です。
そういう人はつねに不安に思うから、足がすくんで動けなくなってしまう。
動けないと行動ができないから、運が回ってこない。
行動しないということ自体が、自分の未来を閉ざしてしまう。
だからもし、自分が不安症の人間だと思ったら、 「自分が考えている悪いことは、本当は50分の1くらいしか起きないんだ」と思うようにしたらいいのです。
世の中は生成発展するようにできているんです。その流れに素直に乗っていればいい。
今の世の中は江戸時代には戻りません。
100年前はもっとひどかった。200年前はそれよりもっとひどかった。
時代は戻りません。 世の中はよくなるようにできているんです。
「よくなる」と思い込んでいれば、別の何の問題も起きません。
「よくなる」と思っているから、よくなるように生きるし、よくなる道も見えてきます。
でも「よくならない」と思っている人は、「よくならなかったらどうしよう」と思うので、足がすくんで行動できません。 行動できないから、変われない。 変われないから、運勢が悪くなる。
「よくなる」前提で生きるのか、「よくならない」前提で動くのか。多きな違いです。
もちろんこれからだって、地震はくるし、台風も襲います。
だけど、昔は地震がきても放っておかれた。 今は仮設住宅をつくってくれます。
年金が安いと言ったって、昔は年金なんてなかった。
「このまま行くと、ダメになっちゃう」じゃなくて、「もっとよくなる」なんです。
それを信じるか信じないかだけ。
斎藤一人著『人生の哲学』PHP研究所