レオナルド・ダ・ヴィンチについて、調べていたことがある。そこで、最近には新たにレオナルドの絵画であると確認された貴重な作品がいよいよ、オークションにかけられて史上最高値で落札されたことで、改めて天才の時代:ルネサンスを思い返した。かつて、教科書でヘボン式ローマ字読みでルネッサンスと教えたが、今はイタリア語の言語に近い「ルネサンス」とする。
イタリアは古代ローマ帝国の文化が栄えた土地で、古代の遺物も多く、彫刻家、建築家らはこれらから多くを学ぶことができた。音楽の分野での「ルネサンス音楽」という用語は、ルネサンス期に作られた音楽という意味合いが強い。イタリアでルネサンス文化が開花したのは、フィレンツェ、ミラノ、ローマ、ヴェネツィア、ナポリ、フェッラーラなどの都市である(すべての都市ではない)。学芸を愛好し、芸術家たちを育てたパトロンとして、フィレンツェのメディチ家、ミラノのスフォルツァ家、フェッラーラのエステ家などが知られている。
15世紀末にはサヴォナローラの改革によりフィレンツェの芸術は衰退し、フランスとの抗争でミラノのスフォルツァ家も追放された(1515年)が、このころには教皇の中にもルネサンス教皇と呼ばれる文芸保護に力を尽くした教皇が出現し、ローマではサン・ピエトロ大聖堂などの建設が行われ、多くの芸術家を集めることになった。
ローマ略奪(1527年)によりローマは一時荒廃したが、ヴェネツィア共和国やトスカーナ大公国(フィレンツェ)で美術の隆盛が見られた。中世の職人とは異なる、高い教養と科学的知識を持つ建築家の誕生である。「人間はあらゆるものになる可能性を持っている」と説いた人文主義者アルベルティは建築論と実作、絵画論など多くの分野で業績を挙げており、ルネサンスの理想である「万能の天才」の一典型とされる。また、ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロはそれぞれ絵画、建築、彫刻など多方面での才能を発揮した。なかでも、高名なダ・ヴィンチについては、白樺派では「リオナルド」などと書いていたので、?と思ったが、博識の彼らはダ・ヴィンチが幼少期に暮らした村のことも知っていたようだ。柳の木が多い村なので、ヴィンチ(柳)村という訳だ。ダ・ヴィンチの絵画作品が実は20作もないというのだから、今回の500億も高い買い物ではないと思った人がいたのだろう!?
今回、オークションにかけられた作品はキリストを描いた油絵で、唯一の個人 所有で、公にになっていたため「幻の作品」として注目を集めていた。それが15日午後( 日本時間16日午前)、米ニューヨークで競売に掛けられ、手数料と合わせ約4億5000 万ドル(約508億円)で落札された。主催した競売大手クリスティーズによると、美術品 としては史上最高の落札額だった。