麹の歴史も古く、化学調味料や合成保存料などなかった時代、先人たちがさまざまなカビの中から、有用な麹菌(コウジカビ)を見つけ出し、麹を旨味のモトや天然の保存料として、味噌、醤油、漬け物、日本酒、焼酎など日本独自の発酵食品を日々の生活に上手に取り入れてきました。
麹は、蒸したお米や麦に麹菌(コウジカビ)を付着させ、ある条件下で培養させたもの。 麹菌は毒をつくるDNAが欠落している菌で、同じアスペルギルス属でもカビ毒を作り出すことがなく『日本の奇跡』と言われています。先人たちがさまざまなカビの中から、有用な麹菌(コウジカビ)を見つけ出し、麹を旨味のモトや天然の保存料として、味噌、醤油、漬け物、日本酒、焼酎など日本独自の発酵食品を日々の生活に上手に取り入れてきました。その功績を讃え、日本醸造学会は「われわれの先達が古来大切に育み、使ってきた貴重な財産」であるとして、2006年に麹菌を日本の「国菌」として認定しました。私たちが、今日美味しい日本酒やお味噌汁を飲めるのも麹菌を見つけてくれた先人のお陰なのです。
麹には
1)アミラーゼ....でんぷん質を消化して糖分に分解(甘味をつくる)
2)プロテアーゼ....タンパク質をアミノ酸に分解(旨味をつくる)
3)リパーゼ....脂肪を分解する
という3大消化酵素を始め、30種類以上の酵素が豊富に含まれています。特に、この3つの酵素は体内でエネルギーを得るための重要な働きをしてくれます。手軽で便利な加工食品には、ほとんど酵素が含まれていません。酵素を多く含む生野菜や刺身、納豆などの発酵食品を毎日食べる。酵素は熱に弱いため、料理などで加熱・調理すると失活してしまいます。『河内菌(黒麹)』は一般的な麹菌とは異なり、スーパー麹といわれて酵素と同時にクエン酸を出すことで、胃酸で分解されず、酵素が腸まで届きます。非常に効率よく質の良い酵素を、体内に取り込むことができるのです。
「酵素」は、口から入った食べ物を体内に吸収しやすい大きさになるように小さく分解していく“ハサミ”のような存在。食事からビタミン、ミネラル、タンパク質など必要な栄養素をきちんと摂っているつもりでも、体内の酵素が不足していると、うまく分解(消化)できないため、必要な栄養素を効率良く吸収できず、悪玉菌が増加してしまうというつまらぬことに。年齢とともに体内の酵素量は減少していくため、発酵食品やサプリメントなどで質の良い酵素をたっぷり補うことが大切です。麹の働きによって生み出される「オリゴ糖」や「麹菌体そのもの」が、善玉菌の大好物。これらがエサとなり善玉菌を増やしてくれます。
麹には、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、パントテン酸、イノシトール、ビオチンなど多くのビタミンを作り出すことができます。甘酒が「飲む点滴」といわれる理由です。甘酒の歴史は古く、古墳時代から存在したと言われています。江戸時代では甘酒を売り歩く行商が夏の風物詩でした。