「この先どうなるのだろう?」と不安を感じて暗くなりそうになったら、笑顔をつくってニコニコするといい、という(武田双雲 『ワクワク人生教室』河出書房新社)。 脳科学によると表情を明るくするだけで、脳が活性、ワクワクしてくるよう、連動しているからだ。
また、ワクワクを感じるためには、好奇心が必要だ。 好奇心があれば、色々なことを面白がることができ、同時に、ワクワク感じるようにもなれる。 子どもは好奇心のかたまりだ。でも、大人になるにつれ、多くの人は好奇心を失い、ワクワク感もなくしてしまう。
ある時、往きと帰りで、同じ会社の別の人のタクシーに乗った体験が書かれていたのですが、二人の運転手さんが絵に描いたような正反対のタイプだったという。同じ社のタクシーだったのに、ビックリするくらい何もかも違っていたそうです。ひとつは車内に入ると、アロマの香りがフワッと漂い、清掃も行き届いている。
ラジオが流れていましたが、「何か聴きたいものがありますか。音楽にしましょうか」と、こちらを気遣っています。 運転手さんと話してると、ネガティブな言葉は一切出てきません。 「私はタクシー運転手になりたくてなったんですが、『こんなに最高の職業はない』と思っています。いいお客様ばかりに出会って、本当に天職です。休みの日でもタダで働かせてもらいたいくらいです」 一緒に乗っているだけで、運転手さんのワクワクが伝わってきました。お客さんも気分がよくなってきます。もう帰りのタクシーはイライラしながら運転して、それが伝わってくるとその日が大違いです。
もしも、あなたがタクシー運転手だとしたら、どちらのタイプになりますか。 ワクワクした話をしてくる運伝種を選ぶ人は多いはずです。 本当は、誰もがワクワクしながら仕事をしたり生活したりしていきたいと思っているのではないでしょうか。でも忙しかったり思うように成果が出なかったりして、イライラしながら仕事をするタクシー運転手のようになってしまう。 本当は、そういうことをしたくない。
スタンフォード大学のジョン・クランボルツ教授が発表したキャリア形成論に、「計画された偶発性理論」という考え方がある。「個人の経歴の8割は、予想しない偶発的なことによって決定される。偶然を計画的に設計し、キャリアをよいものにしよう」と提唱している。
そのためには、急な誘いは断らないようにしているし、街で知人を見かけたら、自分から駆け寄り、挨拶をしている。パーティでは、必ず誰かと名刺交換しているし、行きと帰りの道を変えてみたりもする。そんな小さなことから、人生は思わぬ方向に展開していくのだという。
ノーベル賞を得たの日本の科学者も同様なことを「セレンディピティ」という言葉で、 思いがけないものを偶然に発見する、素敵な偶然に出会うこと、を話した。探していたものとは別の価値あるものを偶然に見つけたという。つまり、科学的な実験でもふとした偶然をきっかけに、幸運なデータをみつけたという。セレンディピティに出会うには、「知らないことや知らない世界に積極的に飛び込むこと」「好奇心いっぱいであること」「かたよった考え方をしないこと」「思い込みを捨てること」等々が秘訣らしい。そして、常に感謝の心を持ち、うれしい、楽しい、幸せと言う言葉を多用することも否決のようだ。
ふとした偶然にワクワクする「いいね!」の一日にしよう。