我孫子市が制作した動画「物語の生まれるまち我孫子」は2016年全国広報コンクール千葉県選出作品審査で、最優秀に入選した。市のブランドイメージ向上に向けたPR映像で、日本語の他、英語・中国語版(字幕)も制作した。審査講評では、特にバイオリニスト・竜馬さんの楽曲「大地」がBGMにながれ爽やかな印象をもたらし非常に効果的であった事、制作面では話題のドローンによる空撮や機動力を活かせるGoPro(小型高性能カメラ)で映像にも工夫がみられ、我孫子の手賀沼というアピールポイントがコンパクトにまとめられているなどが評価されたという。手賀沼をこよなく愛する竜馬さんは、手賀沼遊歩道での演奏シーンにも出演、今どきの帽子をかぶりカジュアルなファションで素敵でした。
メイキング『物語の生まれるまち我孫子』動画
「物語の生まれるまち我孫子」は、我孫子市制45周年に合わせて、本市の魅力を映像で発信する初めてのPR映像で、市民参加で制作した。他市にないヨットやカヌー、自転車、躍動感のあるシーンが迫る。さらに、このところは、次のようなお散歩で紹介する映像も動画サイトにアップされていた。
あび散歩に紹介の動画
そこで、さらに我孫子に関する動画がないかと検索してみたら、かなり高いアクセス数のものがあった。それが、なんと我孫子に所在する空家を「廃墟系」心霊スポットと称して探索する模様を撮影、そらが動画サイトに投稿されていたのだった。上記のような健全な賞を受賞したのはいいが、はたして関係者内で閲覧する以上にアクセスされたかは分からない。しかし、我孫子の空家が動画サイトに紹介されているのに放置されたままは問題だ。まずは、市の担当課に事情を指摘した。我孫子市議会としても、市内の状況を把握しようと、問題個所を視察することになった。
確かに、近年は全国的に空家が増加しているため、その対策が喫緊の課題となり、2015年5月26日にが空き家対策特別措置法が公布、昨年末にはさらに改正、法整備(同居家族が住宅を相続する場合は、3000万円控除も付記された)がされた。持ち主に責任喚起し対処して頂くが、解体する資金がない場合や資金力がありながら悪質に放置などの場合に、法律に則ってどこまでやれるか、自治体の課題だ。
現在、首都圏郊外に広がった住宅地も収束傾向、都内の土地が入手しやすくなり、職住接近で住まう都内回帰現象も出てきた。日本は、これまで長男相続で親と同居するという不文律が昭和の頃まであったが、核家族化、住宅の矮小化によって使われない住宅が空家となるケースが出てくる。これまで中古物件の流通が盛んでなかったが、有効に使えるものは賃貸、売却など方策もされていくようだ。我孫子は団塊の世代のベットタウンとして発展してきた街なので、新たな知恵で街を見直していかなくてはならない。