もう一つは、我孫子の最東端・布佐駅の近く(?)にある井上邸です。この入口にある木が、針葉樹でありながら広葉樹のような幅の広い葉を持つユニークな梛(なぎ)です。熊野神社及び熊野三山系の神社では神木とされ、一般的には雄雌一対が参道に植えられています。井上邸内と外のそれぞれどちらかが雄、雌だそうです。また、その名が凪に通じるとして特に船乗りに信仰されて葉を災難よけにお守り袋や鏡の裏などに入れる俗習があるそうで、利根川、手賀沼を船で渡った時代にはお守りにもなったそうです。また葉脈が縦方向のみにあるため、縦方向に引っ張っても容易に切れないことから、葉や実が夫婦円満や縁結びの御利益を頂くとして家の門近くに植えて喜ばれる樹木だったそうです。関東の地にはなかなか見られない有難い樹木で、熊野神社に行かなくても我孫子(布佐)にはある、「いいね!」です。
井上邸は現在は改修工事中ですが、この工事の過程も市民の皆様に公開し、文化財保護の在り方を知っていただく貴重な教材にもなっています。まだまだ、工事は続いていますが、「とってもいいね!!」になる日が近いです。