テストや入学試験に出るから「ここからここまでを覚える」というようなものは全て人工知能に置き換わるだろう。 難関の試験を通り抜けた医師や弁護士でさえ、ただ覚えたものを出力するだけの人は、将来生きていけなくなる、と言われる時代になってきたようです。
今までの「覚える」「記憶する」教育から、「創造する」「考える」教育へと転換しなければやがて国も会社もやっていけなくなるでしょう。もちろん、「覚える」ことや「記憶する」ことを全部否定しているわけではなく、創造や考えることをするために必要な知識は大事なことは言うまでもありません。
そして、実は、最先端のことをするときには、学歴はあまり関係ありません。
たとえば、大学で宇宙のことを勉強した人はいないのに、宇宙船の部品がオーダーされる。
なぜならば、そういう分野に既存の大学の知識、ノウハウ、そして学歴は通じないから。
それらは、教科書に書かれていません。
そもそも誰もやったことがないからです。
未知への挑戦に必要なのは学歴じゃなく、興味と好奇心。
それさえあればできるのです。
高校しか出ていない人も、小学校から学校に行けていない人もいて、宇宙開発に携わっています。
また、人口衛星を作るときには、宇宙でちょっと傾いてもわかるような特殊なセンサーが必要ですが、これはゲーム機を知っている方が大事です。いいものが安く手に入ってラッキーですね。しかもゲーム機に使われている角度センサーの性能は、今の日本のロケットに搭載されているセンサーより良かったりします。なぜならば、日本のロケットは30年も前に作られたものだから。いくら天才が集まって国の名のもとで開発しても、古いものは新しいものに負けます。
今のスマホと30年前の携帯電話を比べたら、鉛筆とコンピュータくらい差があります。 かつては弁当箱くらい大きくて性能の悪い携帯電話でさえ、驚愕だったのです。 新しくて小さくて高性能のものが手軽に使える今を生きている君は、最高にラッキーです。だったら、日本のロケットも新しいものにすればいい気がしますが、そうはしません。なぜでしょう?
理由は簡単で、「失敗したくないから」です。 新しい部品を使おうとすると、「失敗したらどうするの、責任取れるの?」と言われます。 宇宙開発は失敗が許されないからこそ、古い技術が使われているのです。「失敗しないためには、挑戦しない」のが安心、ということでは、何も変わらないのです。
失敗すれば、新しいことがわかるのに。
失敗から工夫すれば、もっといいことがわかるのに。
失敗を繰り返してやがて成功すれば、自信が持てるのに。
幸いなことに、君たちはこれから、新しい時代を生きます。
そこに前例はありません。
失敗例も成功例もありません。
誰も経験していないから、大人の常識は全く役に立ちません。
たとえ口出ししてきても、ほとんどは間違っているから、無視してかまいません。
誰もやったことがないことをやる時代だから、誰でもチャレンジできる。
チャレンジすればやがて大きな成功も手に入ります。
そして、チャレンジするために必要なのは、お金でも学歴でもない。
自分を信じて自信を持つことです。
新しい時代を生きる君は、すごくラッキー。
最高にラッキーです。
つづき