国連(UN)が国際幸福デー(International Day of Happiness)に発表される世界幸福度報告書を20日発表した。社会をより健康に、より効率的にする手段として、調査対象155か国中で幸せの質を数値化したもの。国連は2012年に最初の報告書を発表。今年で5回目となる。
2017年版の世界幸福度報告書(2017 World Happiness Report)によると、2016年版の同報告書で1位のデンマークが2位、代わって4位だったノルウェーが首位に躍り出た。世界幸福度ランキング上位には、アイスランド(3位)、スイス(4位)、フィンランド(5位)、オランダ(6位)、カナダ(7位)、ニュージーランド(8位)の順で、オーストラリアとスウェーデンが同点で9位で、上位の常連国になっている。報告書は、福祉、自由、寛容、正直、健康、所得、良好な統治などの「幸福度を支えると考えられる主な要因のすべてにおいて、トップ4か国はみな上位にランクしている」としている。昨年、ドイツは16位で今回も同じ、英国は23位→19位、フランスは32位→31位で、イタリアは50位→41位、日本は53→51位だった。
報告書によれば、お金だけが幸福に結びつく要因ではないという。昨年13位の米国は、社会的支援のポイントが下がり、腐敗度が上昇したため14位に1ランクを下げた。近年経済的に大きく発展した中国は、昨年83位で今年は79位と上昇したが、報告書は中国の幸福度は25年前よりそれほど高くもなっていないことを指摘している。世界で最も大きい民主主義国のインドは118位→122位だった。
上位10か国の構成は2016年と同じだった一方、生活の評価点が最も低い下位10か国には大きな変動がみられた。調査対象国に復帰した中央アフリカが155国中最下位となり、以下、下位から順にブルンジ、タンザニアが続いた。
参照:国連データブック