2017年02月14日

参考人招致と百条委員会

 昨秋に築地市場から移転予定だった豊洲市場の用地売買経緯などを解明するために、石原慎太郎元東京知事(在任1999年4月23日〜2012年10月31日)は、14日午前に都内の自宅前で報道陣に「来週に会見を開く」と宣言した翌日、記者会見を一転して行わない意向であることになった。一夜にして前言撤回の理由は、14日夕に豊洲市場問題特別委員会の石原氏の参考人招致がいずれかに行われることが決まったことで、わざわざ会見を開く意味がなくなったことが理由だという。東京都議会の豊洲市場移転問題特別委員会が参考人として招致すると決め、石原氏も応じる構えを示しました。

 地方議会における「参考人招致」とは地方自治法115条の2に定めがあります。「議会は」(今回は東京都議会)当該普通地方公共団体(東京都)の事務に関する(豊洲移転問題)調査又は審査のため必要があると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことができる」です。当時の状況を知っていそうな人や学識経験者など専門家の記憶や知識を聞き、問題解決へとつなげる方策の一つです。出席を拒めるし、招致の席でウソを言っても罰せられません。

 他方、石原氏には百条委員会での説明を求める声もあり、当初は「百条委を避けるための参考人招致だ」との見方もあり、強い調査権限を持つ調査特別委員会(百条委員会)の設置を提案することも伝えられています。

 「百条委員会」とは文字通り地方自治法100条に基づいて設置されます。
自治体の仕事に重大な疑念が発生した時に置かれる特別委員会で、首長や議員も対象になります。法律に基づく強制力のある調査で、正当な理由がなく出頭や証言を拒否したり、虚偽の証言をしたりした場合には、禁錮刑以下の罰に問われる可能性があります。地方自治法違反容疑となれば議会は刑事告発しなければなりません。これには、議会の過半数の議決で設置します。

これまで都議会で開かれた百条委員会、東京都によると、過去に6回。ほとんどが1970年までで、2005年には35年ぶりに設置され、話題になりました。

《猪瀬氏は設置が決まって辞職》
 2012年12月、石原都知事の辞職を受けて行われた都知事選で勝利して就任した猪瀬直樹知事は翌年、医療法人から受け取った5000万円が「不適切だ」と議会から追及されしどろもどろの二転三転。最後は選挙で支援した自民党にまで見放されます。
このほかには不信任決議があります。議員の3分の2以上出席し、うち4分の3以上が賛成して可決・成立すれば、その際に知事は10日以内に議会を解散できます。そうでなければ失職です。
 この時は不信任が検討されましたが、知事に解散の選択肢を与えることを考えて及び腰の議員も多く、結局は百条委員会の設置が先行しました。その決定が12月18日。万策尽きた知事は翌日に辞職しました。翌年、東京地検特捜部が公職選挙法違反で略式起訴し東京簡易裁判所が罰金50万円の略式命令を出しました。猪瀬氏が納付したため罰金刑が確定したのです。

《舛添氏も総務委で辞任発表》
その後、猪瀬氏辞職にともなう都知事選で勝利した舛添要一氏も私的流用など一連の「政治とカネ」の問題で窮地に立たされます。なかなか自身の咎を認めない知事に業を煮やした自民党など与党会派は野党とともに2016年6月15日、不信任決議案の本会議上程を決め、可決が確実となりました。舛添氏には議会解散を選ぶ手立てもあったのですが、全政党を敵に回しての都議選に展望が開けるはずもなく辞職願を議長へ提出する運びとなりました。そのため20日に予定されていた総務委員会における集中審議は中止。疑惑を追及する百条委員会の設置も否決されました。

 これまでの疑問に対して、当時の都の責任者であった石原氏に話を聞いてみようというのが参考人招致の意図です。都議会では、これまでも東京改革議員団や共産党などが百条委員会の設置を求めてきましたが、公明党も同様の方針を固めたため、設置される見通しとなったと報じられています。20日には都議会の議会運営委員会で調査項目などが協議されます。百条委員会が開催されて、豊洲移転の経緯をめぐる疑問は解消されるでしょうか。


posted by Nina at 00:00| 千葉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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