我孫子市では8日に成人式が行われた。本年は、123万人が成人となった。
そんな中で、車所有に関する意識調査が行われ、68%が車が持てないとの経済状況を示したとのレポートがされた。車所有の動機の一つである「持っているとカッコイイ」と考えは、2012年をピークに、減少しつつあった。
日本全体の自動車保有台数は普通乗用車は漸減しているものの、軽自動車が増えて、2015年で保有台数減は底値を打ち、次第に持ち直しを示している。車そのものの所有を避ける傾向は全般的には見られないが、ひとつの傾向として、若年層に向けて「若者の(自動)車離れ」なる言葉が用いられ、所有・利用状況を懸念する声が関連業界からあがっている。
それでは若年層自身はその言葉や周辺環境に関して、ソニー損害保険が2017年1月付で発表した、今年の新成人の人たちへの調査「2017年 新成人のカーライフ意識調査」の結果をもとに、見てみたい。
若者自身の代表的な立場となる新成人にいくつかの質問を実施。それぞれに「とてもあてはまる」「ややあてはまる」「どちらとも言えない」「あまりあてはまらない」「全くあてはまらない」の5つの選択肢から自分の心境にもっとも近いものを選んでもらい、そのうち前者2つ、つまり肯定派の回答数をまとめた結果が次のグラフ。例えば「若者の車離れ」とは自分のことの項目では全体で38.7%なので、4割近くの新成人は「とてもあてはまる」「ややあてはまる」のいずれかと答えている。新成人の限りでは「若者の車離れ」を自認している人は4割近く。
今回の調査で都市部の回答率が高く、都市部は地方と比べて「若者の車離れ」を自認する人が多く、「車に興味がある」人も少なめ。 一方「車に興味がある」人は4割から5割だが、男性の方が高めの値を示している。自動車への必然性が高い立場にあることを考えれば、興味を示すのも当然。他方、「車に乗る必要性を感じない」人は3割近く。誤差の範囲とも解釈できるが、都市部の回答率が高め。公共交通機関が発達し、各種施設も居住地などの間近にある場合が多い都市部では、車の必要性は低いと考えれば道理である。
この中で、注目すべきは「車所有の経済的余裕がない」。こちらはほぼ7割の回答率。
購入時の初期投資コスト、各種維持費、そして車検代と定期的に多額の出費を求められるため、自動車の所有にはそれなりの収入も求められる。その収入に当てができない人が、新成人の7割にも達している実態は、社会としても認識しておくべきだろう。
一方、車そのものの関する話だが、「所有はカッコイイ」「メーカーに若者向けの車を作ってほしい」との話は5割前後に留まっている。カッコよさは男性よりも女性の方が認識していること、男性はべつだん若年層向けの車をさほど強く求めていないなど、興味深い動きも確認できる。 こうした事から、男女の意識の変化が起きていることが読み取れる。