外務省の川田司沖縄担当大使は在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官から「給油訓練中に機体に不具合が生じ、帰還途中に起きた事故だ」との説明を受けたことを明らかにした。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の米海兵隊の新型輸送機オスプレイが「不時着した事故」とする事故機とは別のオスプレイが13日夜に普天間飛行場に胴体着陸していたことも14日、在日米軍への取材で分かった。
普天間飛行場は住宅密集地に囲まれ、小学校にも隣接。「世界一危険な飛行場」と呼ばれる。オスプレイは24機配備されており、名護市沿岸での不時着事故に続いて事故が発覚したことで、住民の不安と反発が一段と高まるのは必至だ。「災害時に物資を運ぶ利点があるとの説明もされたが、民有地に接する普天間の上空では飛ばないなど、もっと沖縄の声を聞いた運用をしてほしい」と、オスプレイに対して一定の理解を示していた地元大学生も、住宅密集地にある飛行場の実態を知らなさすぎると訴える。
防衛省沖縄防衛局の中嶋浩一郎局長によると、「不時着」とする事故については、沖縄本島の30キロ沖合の訓練空域で、空中給油機とオスプレイなどの給油訓練を行っていた際、給油ホースが切れたため、オスプレイの機体に不具合が発生ことが原因だと理解した。パイロットは人命に影響のない浅瀬への不時着を選択したという。
沖縄県の翁長雄志知事は「不時着と発表しているが、機体が大破しており、これは墜落だ」と指摘。「県民は配備に強く反対してきた。怒りを禁じ得ず、直ちに飛行中止と配備撤回を要請する」と語った。
翁長知事は14日、川田氏と中嶋氏を県庁に呼び、米海兵隊のオスプレイが事故を起こしたことについて抗議した。
千葉県の森田健作知事は、国から沖縄の基地の負担分散で自衛隊木更津駐屯地がオスプレイの整備拠点になることを受け入を10月末に発表したばかり。
森田知事は「国が安全保障について総合的に考慮し、責任を持って判断した結果と認識している。自治体としても協力する必要がある」と表明。木更津市も同じ考えだと明かした。その上で「オスプレイには、一部に安全性に対する不安の声がある」と指摘。木更津市の渡辺芳邦市長と県の担当幹部は同日、北関東防衛局(さいたま市)を訪ね、安全・騒音対策を徹底し、地元に丁寧な説明をするよう要望していた。
防衛省は10月21日に誘致計画を地元に説明。わずか10日後の受け入れ表明に「反対の声が大きくならないうちに、どんどん事を進めようとしている」と地元九条の会などは、国や県、市の対応を批判した。当初打診のあった、佐賀県知事が拒否、そこで国は千葉県に矛先を変え、木更津市長の承諾を得て、千葉県での受け入れを表明した経緯がある。
参照:時事通信(2016/12/14)
http://yaplog.jp/shirafu16/archive/4409