スウェーデンで7日、医学生理賞を受賞した大隅良典教授が恒例の記念講演を行いました。大隅教授は、自分の研究を知らない人にも伝えたいと述べ、講演に向かいました。「社会が科学を目的思考ではなく、文化的活動の中核として育ててほしい。それが私の真の願いです。科学の中の発見はしばしば予測できない、予期しない小さなことから見つかります」(ノーベル医学生理学賞 大隅良典 教授)
大隅さんはおよそ50分間の講演の大半の時間を使い、ノーベル賞の受賞理由である「オートファジー」研究を詳しく説明しました。1988年、細胞内で不要なタンパク質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」の具体的な仕組みを酵母で発見した。96年以降、オートファジーが人間を含む動植物に広く共通する仕組みであることを解明。最近では、オートファジーがアルツハイマー病や、がんなどの病気と関連があることも分かってきた。
11日(日本時間)の授賞式では、授賞理由が紹介された後、大隅教授は、ファンファーレが鳴り響く中、国王からメダルなどを受け取った。 文学賞受賞者の米シンガー・ソングライター、ボブ・ディランさん(75)は欠席した。