謎の中年歌手、ピコ太郎(53)が世界134カ国・地域に配信した話題のデビュー曲「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」が、19日付全米チャートで77位にランクインした。ピコ太郎は、地元・千葉県で歌っていた2014年に“発掘”されたシンガー・ソングライター。
日本人のトップ100入りは、1990年に「THE RIGHT COMBINATION」で54位に入った聖子以来、実に26年ぶり。63年に「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」で日本人唯一の1位を獲得した故坂本九さんをはじめ、ピンク・レディー、YMOらに続く7組目が、パンチパーマにヒョウ柄衣装がトレードマークの中年歌手となった。
「PPAP」を、8月に動画をYouTubeに投稿した。それが、一度耳にしたら頭から離れないビートや、歌詞とダンスの動画がなぜかウケた。 ♪アイ・ハブ・ア・ペン、アイ・ハブ・アン・アップル。アーン、アポーペン−などとリズムに合わせて歌い踊るわずか約1分の映像だが、一度耳にしたら頭から離れないビートや、歌詞、振り付けから人気に火がつき始めた。それが、ついに9月28日、カナダの人気歌手、ジャスティン・ビーバー(22)までも、面白がって拡散したことで再生回数が一挙に増え、世界同時配信された。
全世界を対象にしたYouTubeの公式再生回数音楽ランキングでは2週連続で1位を獲得し、関連動画も含めると累計3億3000万回を突破している。
動画配信で世界から注目されたピコ太郎は「何より世界中で見てくれた皆様、ダウンロードしてくれた皆様のおかげでしかあり得ませんピ」と感謝し、「どんどん新曲出します! これからもよろピコ!」と返答するが、動画を見てもらっただけでは、無料配信はいくらみてもらっても収入にならないのが、ネックだ。年末商戦に、一役かって紅白の舞台へと夢を追い駆ける。時代は、これまでにない反応が世界から始まることがある、というチャンスが思わぬ方向からやってくると言えそうだ。