2016年のノーベル医学・生理学賞を東工大大隅良典栄誉教授が受賞された第一報を受けたのをライブにて報道で見ることができた。大隅教授は細胞が自らたんぱく質などを分解してリサイクル(再利用)する細胞自食作用(オートファジー)の仕組みを見つけ、酵母から人間まで共通する細胞内の根源的な生命現象を遺伝子レベルで明らかにし、がんや神経疾患の治療・創薬研究に道を開いたこと等が評価され、今回は単独受賞だ。
これで、2014年の赤崎勇・名城大終身教授、天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の3氏、2015年の大村智・北里大特別栄誉教授と梶田隆章・東京大教授に続く3年連続の受賞となる。また、医学・生理学賞では、1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大教授、2012年の山中伸弥・京都大教授、2015年の大村氏に次いで4人目である。今までにない話として、奥様と大学院で知り合った研究者同士で、似たもの同志だとおっしゃっていたことだ。大隅教授いわく、人がよってたかってやっていることをやるより、人がやっていないことをやるのがとっても楽しいと思っていて、それはある意味でサイエンスの本質みたいなものだと。「誰もやっていない」というオリジナリティーが研究者の必須、それを支える同志が家庭でもパートナーで、喧嘩したこともほぼないという「恵まれた」環境にあった!?という。我が身の結婚記念日を前に、改めてオクテ研究者・海津にいなも、頑張らなくてはと思う(いうまでもなく、我孫子研究のレベルでの話)ことしきり。「これをやったら必ずいい成果につながる」というのは、科学の分野では難しいと言われた。確かに、すべての人が成果を得られる研究になるわけではないが、そういうことにチャレンジすることが科学的な精神だと教授は言われた。チャレンジって、これからの我孫子にもまさしく必要な指針だ。
毎年10月初めになると、どなたがノーベル賞を受賞されるか話題になるが、今年も早くもお一人のノーベル賞受賞が決まった。自然科学の領域では、2000年以降米国に次ぐ受賞実績を上げており、日本の科学技術の高さを改めて示している。最近、豊洲問題など暗いニュースが続いたが、久しぶりに聞くグッド・ニュースである。明日以降も楽しみだ。