2016年09月20日

美味しさが伝わる、絵になる日本料理

9月議会も中盤になってきた。先週の総務企画常任委員会で、海津にいなは多言語に取り組みについて質疑、提案した。実態として、我孫子は近隣他市に半歩遅れてしまったが、これからキャッチアップして進めてもらい、成果があげるところにおいてはトップランナーになってもらいたいと思う。

中国のSNSに日本の日常生活の写真をアップして、いちばん「いいね!」数が多いのは料理の写真だ。日本の飲食業がいま注目されているのは、「民は食を以て天と為す(人民は食事をいちばん大切にする)」と思う中国人には美味しい食事が欠くことができないし、「日本で日料を食べたい!」と思う中国若者は数えきれないほど多いからだ。

現在中国の「小清新」「文青」(「文芸青年」の意味。詳細はこちら)のおしゃれ食事と言えば、玉子焼き、唐揚げ、たこ型のウィンナー焼き、お茶漬け、ポテトサラダ、とんかつ……と、言うまでもなく、ごく普通の日本の居酒屋料理だ。寿司、天ぷら、ラーメンなどの定番はもちろん、このようなもっと「日常的な」「普通の」食べ物の存在感が高まっている。 「なぜそんなに詳しいのか、なぜ食べたくなったのか?」と聞くと、大体が「ドラマ/映画を見たから」だ。『深夜食堂』『孤独のグルメ』『パンとスープとネコ日和』『かもめ食堂』『ごちそうさん』……日本のグルメドラマや映画は中国の若者に強い影響を与えている。

投稿に対して、「美味しそう〜ちょうど再来週に行くので、お店の情報を教えてください!」「やはり本場の日本料理は違うだろう」「とりあえずメモに保存しておきます」のようなコメントがつく。中国の各種SNSやブログサイトを見ても、日本料理に関連する投稿が、定番の人気コンテンツだ。

料理するという仕事の「匠精神」は、日本のドラマで初めて知ったといっても過言ではない。

 古くてもアットホームな場所で、清潔感のある料理人が目の前にいる。おしゃべりしたり、玉子焼きやサンドイッチのようなシンプルなメニューでも工夫をして作ってくれることは、今までにない食体験となる。そして、一人でも座って平気で食べられるし(中国では一人で食べるのは珍しい! )、むしろそれは自分に向き合う体験にすらなる。

新鮮なのは料理を作ることに「丁寧さ」「職人感」ということ、食事というのも、単なる空腹を満たすことでも見栄を張ることでもなく、丁寧な料理や料理人との「対話」になる。この「対話」を通して、お腹だけでなくココロまで満足する。そう考えると、ドラマで見るだけでは飽き足りなくなり、自分も日本に行って体験したくなる。

今の中国の若者は、親世代のように、大勢の人とわいわい言いながら、高い食材を使った見栄を張った料理を食べるのがよし、という考えをしなくなった。日本の若者に近づいているのではないかと思う。彼らは中国でも日本料理を好むし、日本に行くチャンスがあったら、欠かせない体験として居酒屋に行き、ドラマの物語と重なる、だからバターライスを食べることになるであろう。

SNSで情報共有の際、文字より写真、写真より動画の若者世界では、美人モードで加工されていない自撮り写真、フィルターをかけて調整する前のお料理写真の掲載は極めて少ない。そして、きれいになった写真・動画をアップし、高級料理でも居酒屋料理でも、自分の暮らしを圏子(チェンズ、詳細はこちら)内で共有するのは一般的である(ちなみに著者の日本カルチャー・ショックの一つは、日本人の知り合いのFacebookへの投稿の少なさである)。 したがって、中国のSNSを開くと、本人より顔値が高い写真や、すごく美味しそうな写真があふれている。「いいね!」を求めるだけではなく、美味しいものを食べたらみんなと共有し、友達と新たなコミュニケーションができることも楽しいからだ。

日本料理は、見る料理と言われ、高い「顔値」を持っている。食器の多さと盛り付けの精緻さに感服した外国人観光客が少なくない。季節に合わせる食器、鮮やかな食材、つまり料理が写真映えするのだ。日本のドラマを見たことがない人も、きれいで美味しそうな写真を見ると自然に「いいね!」と押したり、本当の日料を食べた、その写真を掲載し褒めてもらいたいと思う。つまり、日本料理は美味しさの「見える化」ができるので、中国のSNS情報拡散に適している。思わぬチャンスがある。

若者が求めている価値観と一致した文化体験ができ、SNSの情報拡散に適した高い顔値を持つ日本料理は多くの中国の若者を魅了している。一時的なブームではなく、長期的に日本経済や日本社会に影響を与える現象であるインバウンドで、飲食業は不可欠で、今後の対応もますます重要になっていく。特に訪日中国人の若者に対しては、英語メニューの設置や中国語での紹介だけでは、プラスアルファのチャンスを逃すことになる。

 
日本での体験を良くさせる、「おもてなし」精神をもっとも具体化できるのは、食事だ。こちらから積極的に文化の情報発信、外国のクレジットカード習慣に合わせた予約・決済サービスの検討、もっと言うと、上述のような、なぜ中国人は日本料理が好きなのか、なぜ写真をたくさん撮っているかなどの異文化への理解を進化させれば、きっとすばらしいビジネスチャンスになる時期にきている。

つづき
posted by Nina at 19:59| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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