年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による5兆3千億円の運用損が影響し、厚生年金と国民年金の2015年度決算(時価ベース)をあわせると3兆2458億円の赤字だと公表された。赤字は5年ぶりで、過去3番目の規模。しかし、累積黒字から考えるとまだまだ太っ腹にみていける。
厚生年金は2兆7448億円の赤字だった。期間を区切ってみたGPIFによる赤字は約5兆円といわれたが、保険料率の引き上げなどで前年度より3兆8509億円多い収入があり、赤字幅を縮めた。国民年金は約5009億円の赤字で、GPIFによる運用損約3千億円と被保険者の減少による3261億円の保険料収入の減少などが響いた。それぞれの収入のうち、給付に使わなかった計2兆3793億円はGPIFの積立金に繰り入れられた。
一方、国家公務員共済は、15年10月以降、制度が変わったため、通期の運用実績は残されていないし、昨年2月、運用比率をGPIFと同じにする方針が決定されたが、ある“カラクリ”を潜ませ、結果的にはリスクを回避できた。もっとも国家公務員の年金を支える「国家公務員共済」は安全運用で損益は出していたないがトータルでは、GPIFの運用益には及ばない。
個人で選べない部分がある、運用側はしっかり確実に累積で黒字を保持していただきたい。
2016年08月05日
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