金融の専門家などなどのHPで次のような事が指摘されていて、なるほどと思いました。
英国では残留派のキャメロン首相が国民投票の実施を選挙公約に掲げざるをえないほど離脱への圧力があった。日本では、改憲勢力が改憲を争点化すると選挙で負けるから、それについて言及を避けるという状況で、正反対。憲法改正の国民投票をやるべきだと考える政党なら、それを選挙で前面に押し出して訴えればいい。ところが、それはなされない。政党は、国民投票によって、憲法を改正を求めぬ世論をくみ取っている。だから、ぎりぎり議会の議決でできる範囲の改正している。
リーマン級の財政の混乱と心配する向きがあるけれど、英国のEU離脱による影響は構造がちがうので、心配しすぎだという。
リーマン・ブラザーズが破綻した2008年9月15日、巨大金融機関が破綻したことで金融市場は極度の不安に陥り、これをリーマン・ショックと呼んだ。金融機関の破綻がもたらす影響を懸念した米政府は金融機関を破綻させない方針に転じ、FRBは9月16日に米国の大手保険会社AIGに対して緊急融資を行うことを表明した。ところが、緊急経済安定化法案が9月29日に下院で否決され、これは金融市場に再び大きなショックを与えることとなり、29日のダウ平均株価は終値で777ドル安と史上最大の下げ幅を記録した。リーマンショックとは、金融機関の破綻が金融システムそのものの危機となった。例えば、日本でもリーマン・ブラザーズ証券の破綻の際に、「正確な財務状況が確認されるまで既往契約に基づく決済を停止する」旨が発表され、約定済みの国債取引が一切履行されないという非常事態が、まったなしで発生した。ショックである。
英国のEU離脱について、事前の世論調査ではかなり拮抗していた。ただし、2014年におけるスコットランド独立の有無を決める住民投票においても結果として反対派が勝利していたことで、これも踏まえ今回の国民投票も離脱は回避されるとの楽観的な見通しが多かったのは事実だ。しかし、開票途中で離脱派の優位が伝えられたことで、市場はパニック的な様相を強めた。もっとも、英国の国民投票結果により、金融市場に直接何かしらの影響があったわけではない。つまりは、必死で作り上げたEUという組織の崩壊の兆しに歴史の変化を感じ、先行きの不透明感を強め、急激なリスク回避の動きが起きたもので、意味合いが違うし、EU離脱の実際に施行されるのは2年後という猶予がある、そこも違う。
今回の英国のEUからの離脱により、ロンドンに拠点を置く金融機関などに何らかの影響は出たとしても、金融システムを揺るがすほどのものになるとは思えないと専門家はみている。英国のEU離脱により世界経済にも影響が出るのではとの懸念もあるが、伊勢志摩サミットの首脳宣言でも「成長に向けたさらなる深刻なリスク」と明記されていた。そんな英国の株式市場をみると、周囲の懸念などより、24日はポンド安による輸出企業への恩恵が意識されて、下げ幅を大きく縮小させていたのである。なんという英市場の冷徹さ、それに比べて、急激な円高も加わっての日本経済への心理的影響の方が大きいのではないかとも思われるぐらいだという。
英国のEU離脱により、たとえば英国の信用が大きく低下し、英国債が売られるようなことも考えづらく、英国債は買い進まれていた。27日にS&Pは英国の最上位トリプルA格付けを2段階引き下げ、AAとしたがこれにより英国債への影響も限定的ではなかろうか。このあたり2010年のギリシャ・ショックとも異なるところだ。金融システムへの直接的な打撃、もしくは国の信認の急低下といった事態は金融市場を直撃し、世界的な金融経済リスクを生じさせる。しかし、今回の英国のEU離脱については、その懸念が全くないわけではないものの、ショックの質が異なるというものだ。
7月10日の投票に若者世代の投票率が高まる機運になるといい。