全都道府県の知事47人の海外出張について毎日新聞が調べたところ、ほとんどの都道府県に知事はファーストクラスを使える規定があったが、全員が今後は使わない方針を示していたことが分かった。他にも海外出張に関する規定変更の動きがある。
舛添氏は批判を受け、ファーストクラスとホテルのスイートルームを使用しないと明言したものの辞職が決まった。15年度に実際に使ったのは東京都と岩手、群馬両県。
岩手の達増拓也知事は5月、ファーストクラスを5回利用したと明かした上で「全国の知事が節約していることを参考にしなければならない」と自粛を表明した。群馬の大沢正明知事も今後は利用しない考えを示した。
いずれも特別の事情などがあれば人事委員会と協議するなどして規定額を超えられる。集計期間は異なるが、過去最高額はロンドンでスイートルームに泊まった舛添氏の1泊19万8000円だった。
「東京のような大企業は違うな、というのが中小企業の鳥取県の感覚」。鳥取県の平井伸治知事は5月、東京都知事の海外出張を皮肉った。舛添氏は職員19人が随行したこともあるが、平井氏は原則1人で出かける。県の規定上はファーストクラスを使えたが、ビジネスクラスかエコノミークラスを利用してきた。10日付でビジネスまでしか使えないよう規定を改めた。
大阪府の松井一郎知事も15日、ファーストクラスを使えないように条例改正する意向を示した。熊本県の蒲島郁夫知事は15年度に3回海外出張したが、いずれもエコノミークラスを利用した。
出典:毎日新聞 6月20日