3日にプロボクシング元世界ヘビー級王者モハメド・アリが、74歳で死去した。1964年にブラック・ムスリムに入信し、カシアス・クレイから改名。ベトナム戦争反対の声が高まる中の兵役拒否で、戦争反対運動のオピニオンリーダーとして目されるなど、ボクシングでの輝かしい実績以外でも、世界中から注目された。当時、米国でも人気沸騰のザ・ビートルズと人気者同士ということで一緒に写真をとる仲にもなり、ボクシング界を超越したアイドルでもあった。その強烈な社会へのメッセージ性は、米国の黒人社会を牽引するリーダーでもあった。引退後は難病とも闘った同氏はアトランタオリンピックの最終聖火ランナーとして、衆目のスタジアムで点火を行い、パーキンソン病の人々への勇気と感動の渦をわきおこし、喝采をあびた。黒人のイスラム教徒として、少数派への差別を厳しく批判した。
心から、ご冥福をお祈りしたい。