2016年05月06日

Eat in JAPAN is Cool!

近ごろ、にわかに“MADE IN JAPAN”が世界で見直されている。それも、ハイテクではなくて、むしろローテク、日用品が注目を集めているのだ。

「昔から“神は細部にやどる”といいますが、日用品は、暮らしの細部をいろどるもの。そういうところにこそ、ちゃんとしたモノが嬉しいんじゃないですか。だからいま、“日本製”のクオリティが高い日用品がひっぱりだこなんです」とは、あるライフスタイル誌のベテラン編集者である。仕事柄、内外のさまざまなグッズを見てきた同氏は、


◎「関の爪切り」■「Seki EDGE」 

 では、外国人が思わずうなる“細部”や“芸の細かさ”とは、具体的にはどういうものなのだろうか。それを探ることは、“MADE IN JAPAN”の今後の行方を占うことにもなるだろうし、ひいては、空洞化に歯止めがかからない日本の産業にとって、道しるべのひとつにもなりそうである。

「製品自体は30年ほど前に開発して、輸出を開始してから20年くらいになりますが、ここ5年ほどでぐんと評価が高まりました」と、“Seki EDGE”というブランド名で爪切りなどの製品を輸出している会社「グリーンベル」企画管理部の担当者は話してくれた。

Sekiとは、関の孫六で知られる岐阜県関市のこと。刃物で名高い同市で造られた爪切りは、ここ数年、海外のSNSを中心にその性能の高さが話題になり、1カ月に約5000個を売り上げるまでになったという。 「国内でも別ブランドで販売していますが、こちらもお土産にちょうどいい大きさらしく、旅行客に非常に人気です。ところで、アメリカでは爪切りはニッパー型のものが主流で、うちの製品は価格的には、現地の平均的なものの数倍になりますが、上下に独自の刃付けをした爪切りは形も珍しく、使った方は、切れ味や使い勝手のよさに驚かれたんですね」(同)

■「フリクション」「ジェットストリーム」 
 同じく、手のひらにおさまる日用品として大人気なのが日本製筆記具、 ボールペンでありながら、軸のうしろに付いているラバーで擦ると、摩擦熱によってインクの色が消える「フリクション」というものだ。「これまでに世界で、12億5000万本を売り上げてきました」 と、文房具を製造するパイロット営業企画部の担当者が胸を張るだけあって、計算上は全世界の6人に1人が使ったことになる。

「フランス現地法人の社長からの提案がきっかけでした。あちらの国では子どもたちも学校でボールペンを使っているそうで、書き損じるたびにインク消しを使わなきゃいけなくて大変だから、この製品をぜひ現地で売りたい、と伝えてきたのです。そこで日本に先駆けて売り出したところ、大変好評でした」(同)

 筆記具でいえば、三菱鉛筆の水性ボールペンも海外で爆発的人気を誇る。「ユニボール」というブランド名で売られ、発売以来、評価が高い。油性なのに水性のような書き心地の「ジェットストリーム」というシリーズも人気だ。

同社の広報によれば、 「欧米はサイン文化で、筆記体で文字を書くことが多いため、さらさらっと書ける水性ボールペンが人気があります。ただ、かつてはペン先の金属の腐食など克服すべき問題がたくさんあったのですが、それらを解決した製品を開発、発売して、長きにわたって高い評価をいただいています」ということで、同社の売上げの4割強は海外でのもの。海外における高い評価がうかがい知れる。

 前出の編集者は、「食品を包むラップや工具のドライバーなど、“MADE IN JAPAN”は意外なモノが高く評価されています。製品として出来がいいのはもちろんで、どこで買っても当りハズレがないのも大きい」と語る。爪切りや文房具について、この言葉には納得させられる。

(2)へつづく(2016年5月7日(土)掲載予定)

「特別読物 外国人がうなる『メイド・イン・ジャパン』日用品の実力――白石新(ノンフィクション・ライター)」より

白石新(しらいし・しん)
1971年、東京生まれ。一橋大学法学部卒。出版社勤務をへてフリーライターに。社会問題、食、モノなど幅広く執筆。別名義、加藤ジャンプでも活動し、マンガ「今夜は『コの字』で」(原作)がウェブ連載中。

「週刊新潮」2016年3月31日号 掲載


 いろんな魚種が刺身で食べられていますが、お腹をこわす人は全国的にも年間を通してほとんどいないのです。これ自体が奇跡的で、世界中でここまで柔軟で高度な流通システムは、実は他の国にありません。このことを私たちは再認識し、それを大切にすべきではないでしょうか。日本では水産物の安全性は当たり前ですが、国際的に見れば驚きに値する仕組みです。

 主としてアメリカを起点とするHACCP(危害分析重要管理点)などの安全性認証制度は、そこで働く人々がプロではないことを前提としたものです。経験の浅い非正規労働者でも最低限の衛生管理が実現できるように、厳しい規制や管理制度を重視するのです。「人」を信用しない社会の産物です。海外に水産物を輸出する際には必要な制度であることは理解しますが、国内で流通する分にはまったく必要ありません。むしろ機能の退化を招くものでしかありません。最近は市場原理を優先して、水産物の流通に関しても「合理化」を進めようとする動きがあるという。これに対して佐野教授は「日本が世界に誇る高機能な水産物流通システムを捨て去り、代わりに米国発のシステムを導入する必要はない。それは日本の魚食文化の放棄です」と警鐘を鳴らしている。

 卸売市場流通では日常的にサンプル検査が行われ、衛生的に基準を満たさないものは排除されてきました。またどの業種・業態においても専門的知識と的確なハンドリングのノウハウ、高いモラルとプライドを持った魚の専門家が水産物を扱い、刺身で食べることを当然の前提とした迅速な流通と適切な品温管理を行っています。彼らはまた、江戸時代に遡るほど豊富な経験と知識、柔軟な技能によってどんな魚でも的確に扱うことができるから、刺身が全国安全に食べられる国なのです。

信頼できる流通業者がいなければ、食の安全は成立しないのです。

「安全・安心」は生鮮食品において不可欠ですが、私たちは普段、スーパーの店頭に危険なものなど売っていないことを前提に買い物をしています。流通業者や小売業者を信頼してきたのです。そしてほとんどの場合、裏切られたことなどありません。卸売市場では、毒のある魚はきちんと排除していますし、鮮度には十分に気を配っています。お金を払って誰かに認証してもらわなければならないことなど、そもそも日本の漁業生産物にはないのです。制度ではなく人間こそが安全性を確保するのであって、流通や小売の現場に有能な人材を配置するコストを削り、認証制度を導入するのはお門違いだと思います。






 
 


posted by Nina at 08:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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