「憲法審査会」という場で丸山議員が、事実誤認の「黒人奴隷」発言を訂正した。丸山氏への議員辞職勧告への動きは出たが憲法審査会の委員を辞任するにとどまった。
そもそも、オバマ大統領はケニアからの留学生と白人女性の両親というルーツに持つのであり、異父妹は白人であって、奴隷制が行われていた時代にアフリカからアメリカへ連れてこられた奴隷のルーツではないのは明白なことだった。 参院憲法審査会で何をいったかと言うと「例えば、今アメリカは黒人が大統領になっているんですよ、黒人の血を引く。これは奴隷ですよ、はっきり言って。(中略)まさかアメリカの建国当初の時代に、黒人、奴隷がアメリカの大統領になるようなことは考えもしない。これだけのダイナミックな変革をしていく国なんですよね。そういう観点から、例えば日本がそういうことについて憲法上の問題があるのかないのか、どういうことかということについてお聞きしたい」と質問中(2月17日)の言葉だ。
それと、日本という国の独立を自ら投げすてて米国の一部になろうという、とんでもない発言したことの意味は何ナノか、自民党の内部で一定程度共有されている考えなのか、と勘繰りたくなる。簡単に訂正してお仕舞にしていいことではないでしょう。丸山議員はTV番組で名を挙げた弁護士のお一人であり、一般常識も司法、立法についても重々わきまえている人のはずだから、個人的な想いでなく、自民党での認識に立って発言したのだろうからと、驚きを禁じえない。丸山議員は、かうて選択的夫婦別姓制度に賛同している。質問の中で丸山氏は、婚姻したら夫婦が同一姓になるというのは明治30年頃になってからであり、日本的伝統でも何でもない。個人のいろんな形態を、多様な形態を認めて、強い個人同士のきずなによって、自由なつながりによって強い社会をつくっていくべきである、と述べていた。この点で歴史事実をきちんとわきまえて発言しているのだから、個人というより党としての考えなのだろうかと ???。
ここで話はイタリアに飛ぶ。レオナルド・ダ・ヴィンチ展が開催中だ。
レオナルド・ダ・ヴィンチが庶子であったことは研究者によって分かってきていたが、更に最近になって母親は奴隷だったことが分かってきた。父(公証人)の所有となっていた奴隷(15歳)だったという事が、解明されてきたということだ。レオナルドの出生記録が残っていて、長男ではあったが嫡子とならなかった為、工房に預けられたという経緯だ。レオナルドの絵画に残る指紋を最近のハイテクによって、最近のハイテクによって民族を割り出すことできたこと、さらに正式な出生届けから母親の素性がほぼ確認できたことによって、わかってきた。当時は、中東系の出自をもつ奴隷がイタリアにつれてこられた。ローマ帝国の崩壊があったとしても、奴隷制度はこんな時と場所に影響をもたらしていた・・・・
差別意識はナンセンスだ。後日、丸山議員の発言は自らが言葉が足りなかったと釈明するところでは、人種差別の激しかった米国でも、歴史を塗り替える人が出てきて大統領に就任できる、チャレンジの国だとの趣旨での発言だとの趣旨らしい。国会議員であり弁護士であっても、耳を疑う言動がされるものだと、よくよく歴史の読み方も注意しないいけないし、言葉は解釈次第で、180度も違うと感じた次第だ。