美術家の篠田桃紅さんは若竹のようでいらっしゃる。TVで拝見したが、背がすらりと高いしゃっきりとした着物姿の桃紅さん。写真の桃紅さんの横顔は、やはりきりりと若竹の感じがした。渋い利休ねずみのような色合いの着物姿。103歳になられたことに正直おどろき。
生涯、家族を持つことなく独身を貫かれてきた桃紅さんは、どこの美術家団体にも所属することなく自由に仕事をされてきた。その桃紅さんが100歳となり、自由の範囲が無限に広がったように思うと書いていらっしゃるのだった。「この歳になると、誰とも対立することはありませんし、誰も私とは対立したくない。百歳はこの世の治外法権です」とある。治外法権とは大変ユーモラスなたとえのように思う。
年齢に畏れず、美を追求し続けられる、こんな仙女のような人が世界から憧憬をもって見つめられている人が日本に居るというのも、凄い有難いことだ。
本の内容(2015出版、45万部のベストセラー!)
第一章 100歳になってわかったこと
・百歳はこの世の治外法権
・古代の「人」は一人で立っていた
・いい加減はすばらしい
第二章 何歳からでも始められる
・頼らずに、自分の目で見る
・規則正しい毎日から自分を解放する
・1+1が10になる生き方
第三章 自分の心のままに生きる
・自分が一切である
・危険やトラブルを察知、上手に避ける
・あらゆる人に平等で美しい
第四章 昔も今も生かされている
・よき友は、自分のなかで生きている
・悩み苦しむ心を救った日本の文学
・唯我独尊に生きる