2015年09月10日

特集:認知症虐待、高齢者徘徊、社会がどう対応できるか    介護の日、青春の後、里の秋

川崎の有料老人ホームで3人もの高齢者が不審な亡くなりをしたとして、調査に入っていることが明らかにされた。もし、職員ぐるみであったら認知症の介護できゅうきゅうとする人たちには、預かってもらうにも不安がおきる。しっかりとした調査と報告を望みたい。

過日、認知症について2人の体験談が新聞に紹介されていた。専門家の見方と併せて紹介した記事だったので、敬老の日を前に、自分のことも含めて、少し考えてみたいと思う。


■介護続けて母みとる

 さいたま市の元地方公務員早川好治さん(66)は、認知症の母を介護する。20年前に父が亡くなり、母と2人で暮らしてきた。様子がおかしいと感じたのは10年ほど前。母は薬局で便秘薬を5日連続で買ってきたり、家の中に猫やネズミがいると言って追いかけたりした。2008年に認知症と診断された。

 その頃は、症状が出るときもあれば、普段と変わらないときもあり、戸惑った。会話がかみ合わず、「何でわからないんだ」と怒鳴ったこともある。

 母に施設入居を勧めたが嫌がったため、自宅で介護を続けた。食事の用意、トイレ・入浴の介助・・・。何でも1人でこなした。母は今年5月、急性心不全で95歳で亡くなった。早川さんは今、「落ち込んで何もする気が起きない」という。

 介護中は母をショートステイに頼み、登山や温泉で気分転換した。「つらいという感情はできるだけ持たないほうがいい。余計につらくなるから」と話す。

■施設、運良く見つかる

 東京都文京区のフリー編集者久保博美さん(55)は、認知症による幻視や暴力がある女性の施設探しに悩む家族を紹介した記事に対してメールを寄せた。

 久保さんの母(80)は04年にアルツハイマー型認知症と診断された。07年に埼玉県のグループホームに入居。その3年後、症状が悪化した。壁に自分の頭を打ち付けて暴れ、肺炎も起こすようになった。職員から、転居を考えるよう示唆された。

 特別養護老人ホームに相談すると、母が体調を崩して病院に行く時は家族の同伴が必要だと言われた。だが、仕事の関係で難しく、あきらめた。そのままグループホームで暮らし、昨年、胃に管で直接栄養を送る「胃ろう」をつけた。すると、職員が世話が難しいと言い、ほかの施設に移らざるを得なくなった。

 今はネットで探し当てた県内の有料老人ホームに入る。「仕事を抱えながらの施設探しは肉体的にも精神的にも大変だった。いまは運良く受け入れ先が見つかり、ほっとしています」

     ◇

■当事者になる可能性、それぞれの理解を

 〈「迫りくる『息子介護』の時代」の著者で社会心理学者の平山亮さんの話〉

 一般的に男性は、伴侶の妻が介護するだろうとの思い込みがあるため当事者になる可能性があるという実感に乏しい。そのため、自分の親のそばにいても衰えに気づきにくい。いざ介護を始めると、悩んでいても男性特有の特質で、なかなか弱音を吐くことができない。まずは、自分や身の回りで確実に起こりうることだと理解する必要が、社会にもある。

 ただ、息子による介護も決して一様ではない。親子の年齢や経済状況などによって、抱える問題や必要な支援も異なる。さらに言えることは、今後は、経済的に親元から自立できず同居せざるを得ない子たちが介護者になるケースが増えるだろう。その場合、収入の途絶えることになる契約社員の同居の子息たち、そのことによってうつ病を併発するなどの二次的症状にも発展するなど、介護支援より先に生活支援をする必要になる。介護サービスもタダではないからだ。直面している問題ごとに解決策を考えていく必要がある。

■両親元気なうちから準備を

 〈介護分野が専門で、施設探しの同行サービスもしている外岡潤弁護士の話〉 手間がかかる重度の認知症の人を受け入れたくない施設は少なくない。入居に条件を付けられたら、内容をよく確かめよう。肝心のところで、見放されてしまうことがないのか、とにかく入所ではなく、誠心誠意向かい合ってくれる施設か、納得できないときは市町村などに施設の様子を含めて相談することだ。最近は、相続税の改定でこれまで以上に納税対象者が増えるため、納税がらみで事件に発展することもある、弁護士などに相談(しかし、有料)もある。

 誰もがいつか介護に直面する、その深刻度は親との距離などで一様ではない。先の問題とせず、祖父母や両親が元気なときから、準備をしておくことが大切だ。介護に使えるお金が家族にどれだけあるか、最近は親の貯金とは言え、家族では引き出せない。すると誰が預貯金の管理をするか、認知症であった場合は有料ホームの入居もすんなり話がまとまらないケースもある。まずは近所にどのような施設があるかを調べておくだけでも違う。肝心なのことは、入居前に、どんな症状の変化で退去しなければならないか、医療行為に対応できるのか、看取りまでもできるのかなどを確認することも非常に重要だ。

 施設をめぐる問題を利用者側だけで解決することは難しい。なぜなら、介護サービスを利用する際にはは、市町村などのケアマネージャ契約を結び、審査を受ける手続きがある。これには最低でも数週間の期間が必要になる。仕事があっても、役所は平日しか対応しない。相談をするだけでも休暇を取らなくては対応できないとなると、急いでいながら相談すらできない。今、介護難民も多くなっているし、徘徊の悩みも街に増えてきている。オリンピックは若人の祭典で香しが、こうした老いに向けての対処も公的な相談機関が休みなく向き合っていくよう、介護サービス利用者と施設の民間同士のことだけとせず取り組んで、迅速に調整する必要がある。新国立競技場が出来たとしても、足を運べない高齢者、その介護者はより多く増えているのだから、桝添都知事ならずとも、剣道の竹刀ばかり振って「青春!」ばかり吹聴せず取り組んでいただきたい。


参照:
朝日新聞デジタル 9月6日

posted by Nina at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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