ダウ平均株価が588ドルも下落した24日のニューヨーク株式市場の様子が引き金になって、東京市場は取引開始とともに売り注文が殺到するパニック状態に陥りました。
このところ、涼しくなってホッとするかと言えば、気温がぐっと下がって長袖では秋風が寒くも感じ、この暴落には驚きました。株の購入をしていない人でも、ニュースが気になったと思います。株価を注視してる人の中には、腰を抜かした年金生活者もいたろうかと思います。
25日の東京株式市場は取引開始と同時に売り注文が殺到、日経平均株価は一気に800円近く値下がり。半年ぶりに1万8000円を割り込み、ひけてみれば、1万7806円と今年2番目の下げ幅を記録し、6営業日続けての下落でした。
こうした動きは海外の株式市場にも波及し、先週から「世界同時株安」の様相を呈し、世界大恐慌の引き金となった1929年10月24日(「暗黒の木曜日」)の株の暴落にちなんで、欧米などではすでに「暗黒の月曜日」と呼ばれているとか。
さすがに中国人民銀行(中央銀行)は、追加の金融緩和を決定しました。政策金利である銀行の貸し出しと預金の基準金利を0.25%引き下げると同時に、市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率を0.5%引き下げるようです。大規模な金融緩和で景気の安定に努めるようです。
※「中国が追加金融緩和 利下げと預金準備率下げ同時決定」日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM25H7S_V20C15A8000000/
この状況についての分析は、識者のいくつかの見方が出います。
大手証券会社の情報部長は「連日大幅安となっているが、かなり「陰の極」に来ている。米ダウ.DJIの下落率が2010年のギリシャ・ショックや11年の米国債格下げのときと同程度となっているほか、VIX指数.VIXも10年、11年以来の40超えとなっている。日本株では今日にも東証1部の騰落レシオ(25日平均)が70%以下となりそうで、底入れを示唆している。いったんはリバウンド局面を迎えそうだ」。そこで、「もっとも、過去の傾向をみると安値から3分の1程度の戻りにとどまり、その後、数カ月は安値圏で乱高下しそう。焦点となっている米利上げについては米ジャクソンホール会議や米雇用統計など、中国経済については政策効果が出てくる9月の中国経済指標などを見極める必要があり、これらをひとつひとつ確認しながら相場は徐々に落ち着きを取り戻すだろう」との国内の反応予想のようです。
※「世界株安に歯止めかかるか、金融市場の行方は:識者こうみる」ロイター通信
http://bit.ly/1Eg4sBZ
フランスのマクロン経済相は昨日、「(中国の)経済成長は大幅に鈍化するだろう」「今後6〜8カ月、中国は非常に困難な状況となるだろう」と指摘。米国での利上げについては「これらを受け、FRBのイエレン議長は9月には利上げに踏み切らないと予想する。そもそも議長にその意向はなかったが、これで完璧な名目ができた」と話しました。
※「中国経済、半年間は大幅鈍化 米利上げは最速で12月=仏経済相」(ロイター)
http://bit.ly/1V79l4z
「中国嫌い」で有名な2016年米大統領選の共和党最有力候補であるドナルド・トランプ氏は「私はずっと、中国にアメリカの雇用が奪われていると言ってきた。われわれの金が奪われているのだ。気をつけないとやられてしまう。自覚が必要だ。誰もそれをわかっていない」との考えを示しました。「中国嫌い」を前面に出して自分の支持を訴えるツイートがされている。
なにぶん「下落のあとには、反騰はつきもの」です。このあと、反動できっと跳ね上がる局面は必ずあるもの。過去に学んで各国の政府も介入するのは当然です。どこの国も中国政府の動きを注視しているのは、それだけ、中国経済の存在が大きいことであり、経済の相互依存が進んでいるからです。日本との規模比較をしても抜かれているのだから、6月の下落に続き、再びの続落、中国こけたら世界経済皆こけただけは避けなくてはいけないのです。日本にも中国の経済成長を半ば嫉妬混じりに、「いずれ中国バブルは破裂し、それまでだ」などと言っている中国嫌い(そして韓国嫌い)の人が少なからずいますが、我が身が可愛ければ、この際に隣人も平穏であれかしと、「大人の気づき」になって欲しいと思うところです。