韓国の朴槿恵大統領(63)の実妹、朴槿令(クンリョン、61)氏が7月30日に日本から帰国した際に、ソウルの金浦空港で韓国メディアの取材に答えた。
聯合ニュースによると、槿令氏は「天皇が頭を下げているのに、なぜ(日本の)首相が替わるたびに謝れと言うのか」と韓国の対応を批判。「日本の神社参拝は子孫が先祖を訪ねていくものであり、100年前の先祖が悪いことをしたから子孫が参拝をしないというのは人の道にもとる」と日本人の靖国神社参拝を擁護、「韓国がそれに関与しようとするのは内政干渉である」と主張した。「日本は韓国の経済発展の基になることをたくさんしてくれたのに、被害意識だけ抱いていては国益にならない」と主張した。「北東アジアの平和実現のために日本は親しくつきあわなければならない隣国であり、解放前の“親日”と解放後の“親日”では概念が違う」と強調した。
また、慰安婦問題については、「元慰安婦をはじめ苦痛を受けた方々に対しては、韓国国民が国内で面倒を見なければならない」と述べた。
日韓の重要課題になっている従軍慰安婦の問題を最初に報じたとされる元朝日記者、植村隆氏が同日に産経新聞のインタビューに応じ、次のように話した。
平成3年8月11日付朝日朝刊社会面(大阪本社版)で、元韓国人慰安婦だと初めて名乗り出た金学順(キム・ハクスン)氏(記事では匿名)の証言を署名入りで韓国メディアに先んじて報じ、その後の問題を錯誤させた人物だ。
昨年春に退社し、現在は非常勤講師を務めるが、記事をめぐって大学や家族らへの脅迫が続いたため今年1月、過去に記事を批判してきた西岡氏らを名誉毀損で訴える事になった。
「事実は金さん本人が女子挺身隊の名で連行されたのではないのに、『女子挺身隊』と『連行』という言葉の持つ一般的なイメージから、強制的に連行されたという印象を与える」「安易かつ不用意な記載であり、読者の誤解を招く」と、平成3年8月11日の植村氏の記事に始まった日韓の慰安婦問題の誤解について、昨年来の朝日新聞内部の調査から謝罪し、朝日の第三者委報告書はこう断じた。
植村氏は記事で「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』」のうちの一人だと金氏を紹介した。今回の産経新聞の取材に対し、植村氏はこの記事は韓国挺身隊問題対策協議会で一度だけ聞かせてもらったテープを基に同会から背景説明などを受けて書いたと、事実関係を説明した。しかし、テープについて「僕は持っていない」と語った。そのテープを聞いた時点では、女性の名前は知らされなかったという。「女子挺身隊」という言葉が出てきたかどうかに関しては、今では「定かじゃない」と答えた。
その後、この問題は記事が出た直後、金氏の経歴をめぐる異なる事実関係が明らかになって、複雑化し
た。金氏は、3日後の14日になると実名を明かしてソウルで記者会見を開いた。翌15日、韓国紙ハンギョレは「母親によって14歳の時に平壌のキーセン(妓生)の検番に売られ、検番の養父に連れられていった」と報じた。金氏らが12月に東京地裁に起こした賠償訴訟の訴状も、金氏の経歴に関し「養父に連れられて中国へ渡った」とあり、「挺身隊の名で連行された」とは記載していない。しかし、韓国内の日本への怒号の叫びは大きくなっていった。一時期、日本男性の間では、韓国に旅行に行くといえばキーセン・ツアーだと思われるくらいに横行して、世界的にもひんしゅくを買って、学会などの指摘がでるほど、途上国問題や南北格差の実態があった。
こうした実態もあってからか、朝日新聞では戦争責任を追うことになる。戦前は、朝日も戦争や植民地を美化した報道をしていた。戦後は植民地支配に対する反省と謝罪、おわび、そういう気持ちが朝日のジャーナリズムの柱の一つとなっていた。大阪は在日コリアンが多いため、植村氏はそのど真ん中に住んでいて、在日コリアンの人権問題を担当した流れで慰安婦問題を取材した。朝日新聞がやってきた侵略戦争の反省を伝えようという作業の一つだった。早い段階で(現代史家の)秦郁彦さんから、主だった二人の主張に対して疑問が呈された。今回に至るまでに訂正するまでに時間がかかったことで、日韓関係に大きな誤解のしこりが出来た。
「朝日新聞の用語解説によれば『朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その人数は8万とも20万ともいわれる』で、西岡力・東京基督教大学教授の4年の論文で数についての批判されたからね。秦教授は2万数千人と見積っていたからだ、じゃあ2万人だったら問題ないのかということですよね。数の問題は僕が答えるべき話ではないですが。」金さんの件で、話が表に噴出したが、金さんについては連行といっても、親から身売りされたのが実態だった。それを実際に強制連行された女性たちは、表に顔を出して主張してはいなかったということで、事実無根ではないということだ。戦争という事態において、朝鮮戦争において韓国政府が女性たちを慰安婦として送っていたからだ。ロシアしかり、米国しかり、戦場、大災害の被災地で女性を貶める状況が作られやすいのは国を限った事ではない。そこを変えなくてはいけないと政治家は言わないのだ。旧来の政治家は、女性たちを要求し、もしくは、あてがう事で交渉を有利にしてきた歴史の裏事実だ。
朝日は昨年8月の検証記事において、金氏が挺身隊の名で連行されたかどうかについては見解を示さなかった。その後、「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」との「おことわり」をデータベース上に追記。事実上、誤報を認めた。
植村氏は第三者委の指摘について「強制的に連行されたような印象を与えるということだが、印象ではなく『強制連行』(という表現)で伝えている他メディアがあることにも触れてほしかった」と語った。「植村が捏造記者じゃないことが報告書からも分かる。そこを分かってもらえるよう強調したい」とした。
朝日の第三者委報告書は同じ年に、植村氏が金氏について書いたもう一つの署名記事も取り上げた。12月25日付朝日新聞大阪本社版の「日本政府を提訴した元従軍慰安婦・金学順さん」の記事だ。
この記事は1カ月前の11月25日、植村氏が高木健一弁護士らによる金氏へのヒアリングに同行した際に録音したテープを基に書いたものだが、金氏が12月6日に起こした賠償訴訟の訴状にも記載されたキーセン歴が書かれていなかった。
独立検証委は「金さんは、当時に吉田清治がフィクションを交えて主張していた女子挺身隊の名での強制連行された被害者であるかのようなイメージ(錯覚)を作り出したように、大きな役割を果たした」との見解を示す。
一方で、植村氏の韓国人の義母は当時、金氏らを原告とする賠償訴訟を支援した太平洋戦争犠牲者遺族会の幹部だった。植村氏は、挺身隊=慰安婦強制連行の裁判を支援する義理のお母さんの関係者という立場で、原告に関する記事を載せることについて逡巡はなかったのかという質問に、「結婚する前からずっと、この問題を取材してきた。韓国人の家族がいるために書いたわけじゃない」と述べた。
日韓国交正常化五十周年、日本の敗戦の日は韓国の独立記念日(光復節)とされる。新しい時代を歩み出す努力をつづけることから始まるのだ。
参照;
産経新聞 8月4日
産経デジタル 2014/7/15 韓国政府による米軍慰安婦から怒りの声