2015年07月10日

映画「アンブロークン」 意味は「不屈」。

 戦後70年、1本の映画が、日本の過去への向き合い方を問うている。人気俳優アンジェリーナ・ジョリーさんが監督した映画「アンブロークン」の日本公開をめぐり揺れている。米国でヒットし50カ国以上で公開されながら、国内では配給会社すら未定。旧日本軍の捕虜虐待を描いた内容に、ネットなどで「反日映画」とボイコット運動が起きているためだ。

 ■「阻止を」ネットで連日批判

 「日本貶め映画」「どんどん抗議の声を上げていくべきだ」――。

 フェイスブック上に不穏な言葉が躍る。「アンジェリーナ・ジョリーの反日映画を阻止しよう!」と名付けられたページには1200人以上が参加し、連日、映画批判が投稿される。

 「アンブロークン」は米国で昨年末から3千館以上で上映。興行収入は1億ドルを超えた。

 日本では映画化が報じられた昨夏ごろからネットで批判が始まった。署名サイト「Change.org」ではジョリーさん宛ての上映反対キャンペーンに約1万人が賛同。「東京裁判史観を変えない限り、第2のアンジェリーナは現れる」と内容は歴史認識へも波及。捕虜を虐待する伍長を演じたギタリストMIYAVI(石原貴雅)さんに対しても「売国奴」などの中傷が繰り返された。原作にある「捕虜が生きたまま食べられた」との根拠が不確かな記述も反発の理由になっているが、映画にその場面はない。

 配給元のユニバーサル・ピクチャーズの作品を国内で上映してきた東宝東和の八代英彦取締役は「いざという時に矢面に立つのは劇場。簡単に踏み切れない」と話す。同社にも「公開するな」との電話が数本あったという。一方、「Change.org」では日本公開を求める東宝東和宛ての署名も1200人集まっている。

 中国や韓国では既に公開され、日本の動きは欧米など海外メディアも注目。日本の歴史修正主義や「右傾化」と絡めて報じられている。海外メディアの取材を何度か受けた「史実を世界に発信する会」(東京)の茂木弘道事務局長は「映画は見ていないが、事実無根の思い込みや決めつけによる作品で、上映の必要はない。日本人性悪説に基づいた人種差別だ」と語る。同会は渡部昇一・上智大名誉教授らが顧問に就く。

 ジョリーさんは、複数の取材に対し「反日映画ではなく許しの物語だ。映画を見てもらえればわかる」と強調している。(石川智也)

 ■日本不信招く/目、背けたいだけ 上映ボイコット運動、危ぶむ声

 実際に見た人の感想はどうか。ニューヨークに住む映画監督、想田和弘さんは「虐待場面が長い割に伍長の内面や暴力の理由が分からない。日本人が感情移入するのは難しい」と内容への評価は厳しい。ただ、「ホロコーストを扱った映画がドイツで公開できないとしたら、世界はどう見るか。日本の戦後の取り組み自体に不信感を抱かれかねない」と上映阻止運動を危ぶむ。

 英インディペンデント紙のデイビッド・マクニール記者も「見もせずに攻撃している人たちは、不都合な真実から目を背けたいだけでは」。元伍長は98年、ザンペリーニ氏の来日を機に米CBSテレビの取材に、捕虜への暴力を認めている。

 マクニールさんは、同様に日本軍の捕虜虐待を扱った映画「戦場にかける橋」(57年)や「戦場のメリークリスマス」(83年)を挙げ、「これらの公開が問題になっただろうか。日本の変化は危うい」と話した。

 日本では数年前、中国人監督の「靖国」(07年)や和歌山のイルカ漁を糾弾した「ザ・コーヴ」(09年)の封切りが、抗議活動で中止に追い込まれた。自ら「靖国」の上映会を開いた右翼団体代表の河原博史さんは「見もせずに反日と決めつけるなど論外だ。見た上で論理的に批評すべきだ」。

 ユニバーサル・ピクチャーズ・インターナショナルのダンカン・クラーク社長は、朝日新聞の取材に「アンブロークンを通じていかなる政治的メッセージも広める意思はない。日本での公開は未定だ」と答えた。

 MIYAVIさんは「国境や人種の壁を越えて、ザンペリーニ氏のいち人間としての『赦(ゆる)し』という心の境地に至るまでの過程や、生命の強さ、尊さを、映画を見て下さる全ての方々が一緒に考えるきっかけの一助になれれば本望です」とコメントした。


 ◆キーワード
 太平洋戦争で旧日本軍の捕虜となった米国の元五輪陸上選手ルイス・ザンペリーニ氏(1917〜2014)の半生を描く。原作は全米ベストセラーのノンフィクション。爆撃機が太平洋に不時着し、捕らえられたザンペリーニ氏は、東京・大森や新潟・直江津の収容所で2年にわたり虐待を受けた。竹刀やベルトのバックルで殴られ、捕虜同士で殴り合いもさせられた。戦後は復讐心に苦しんだが、キリスト教の「許し」の教えに救われ、1998年の長野五輪で80歳の聖火ランナーとしてかつての敵国を訪れる。


http://digital.asahi.com/articles/DA3S11653749.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11653749;

asahi shinnbunn dejitarl 3/17

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