国民に歴史的な決断を迫る安保法制の議論が、安倍政権のもと国会でされてきました。戦後70年、日本の安全保障政策が岐路に立つ今、集団的自衛権自衛権での武力行使は認められるとの判断を進めるリーダーである安倍首相は、交戦権を認めない日本国憲法9条のもとで、恒久平和という自衛隊に同盟国との連携行動を認めるという難しい議論を保守絶対優位のこの時にと寝ずの勢いです。先週は、参考人として呼ばれた憲法学者3名が、安全保障関連法案を「違憲」と指摘し、波紋を広げています。
現在、首相は7日より開催のG7サミットに出席で独南部の保養地エルマウに滞在しています。首相は外交・安全保障問題を扱う同日の夕食会で、中国による人工島造成で緊張が高まる南シナ海情勢問題を提起、また政府軍と親ロシア派の衝突が続くウクライナ情勢とともに「力による現状変更を認めない」との立場での主張を行う重要な国際会議に臨んでいます。
日米同盟のもとに日本の安全と安心が確保されてきました。戦争法案だから反対というような社民論を一括しつつ、玉虫色の政府答弁の中で国民は安全保障に対するリスクを認識し、集団的自衛権の行使の限界を見極めた上で、いよいよの決心しなければならない、一億総懺悔となった戦後も70周です。
中国、北朝鮮などを配する東アジアの情勢を考えれば、日本単独で日本の安全を確保できない事は明白です。日米関係の力関係も敗戦国から脱して変化してきており、安全保障の在り方をこのまま通りは、沖縄とて黙っていません。つまるところ問題は広範囲な地域で軍事活動を展開する米軍の支援をどこまでやるかの限界と、その行動のタイミングが議論の要点となっているのです。不用意に戦争に巻き込まれる事は避けなければなりませんが、場合によっては、戦闘に近い所で自衛隊が活動する事はあると仮定しなければなりません。
国会の議論そのものが丁々発止でやるべき最重要案件ですが、安倍首相と野党の双方がかなり行儀が悪い状態で、いいはなしでなく民主主義の前提で少数の意見も尊重するかどうかです。特に安倍首相の答弁については、このところ各方面から厳しい評価がされているのは、聞く耳持たない、国会はプロセスの場であって、議論を尽くす場であると心得ていらしゃるのかどうかです。そのような国会のさもしい状況を国民に見せたくないのか、 NHKが国会審議を中継しないという驚くべき事をしています。私も民主党の辻本議員の質問のニュースを見ていましたが、いいところで番組が終わってしまいました。このNHKの姿勢は、あの会長の意向とすれば、言論の自由という民主主義の大前提に対す問題行動です。
安倍首相も、率直に国民にある覚悟と決断を迫るべきです。70年前の大本営発表なんて、国民を臣民と行っていた時代でしたが、21世紀も15年過ぎての首相は表向きLiveしかしグレーゾーンで逃げ切って、与党の賛成多数で今国会で成立させられるんだぞという、そんな態度が言動に現れています。
民主党の岡田党首は、法案に反対という意思表示はしませんでした。
サミット8日は、過激派組織「イスラム国」への対応を中心としたテロ対策や、地球温暖化対策、途上国の開発支援などを協議。2日間の成果をまとめた首脳宣言を採択して閉幕するということです。