2015年04月01日

安全のコスト

 今年も4分の一が過ぎたことになる、桜は満開だが、どこかで悲劇はおき、年を重ねることは喜びばかりではない事を知る。 

 3月24日、ドイツのLCC(格安航空会社)であるジャーマンウィングスの旅客機がフランスの山中に墜落したのは世界に衝撃を与えた。日本人とみられる2人の搭乗者を含む乗客乗員150人の生存は絶望的とみられている。

 仏検察当局は26日、ドイツ人のアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が「意図的に機体を墜落させた」との見解を発表。ルビッツ氏の自宅からは「勤務不可」を指示する医師の診断書が破られた状態で発見された。日本では機長による「逆噴射」が原因となった1982年の日本航空機羽田沖墜落事故の後、精神面のチェック体制が強化されたという。

 航空機乗組員の身体検査などを実施する一般財団法人航空医学研究センターはこう説明する。

「航空会社のパイロットは全員、半年もしくは年に1回、身体検査が義務付けられている。精神面の検査もあり、ペーパーではなく精神科の医師との面談となります。当然、精神面の検査で落とされる人もいます」

 ジャーマン社では精神面の定期検査を行っていなかったという。事故のもう一つの原因は、操縦士がトイレに立った後、ルビッツ氏が操縦室の扉を内側からロックし「密室」をつくり出してしまったことだ。2001年の米同時多発テロ事件の後、扉の防護対策が強化されたことが仇になった。元日航機長の石津晃(こう)氏は、操縦室の少人数化を指摘する。

「昔は機長、副操縦士の他に計器を見てスイッチを操作する航空機関士や、月や星を見て航路を決める航空士の計4人がコックピットにいた。今は自動操縦の技術が進んで操縦に必要な人数が減った一方、機体の大型化で乗客は増え、操縦士にかかる責任が重くなった」

 一方で、待遇面は厳しくなっているという。元日航チーフパーサーで航空評論家の秀島一生氏がこう指摘する。

「欧州メディアの論調は、LCCの厳しい労働条件が乗組員を追いつめているのではないかというもの。私が現役の頃は月間フライトタイムは最大でも80時間程度だったが、LCCでは100時間は当たり前。疲労がたまれば精神面に悪影響があるかもしれない」

 元航空ジャーナル編集長の青木謙知氏もこう語る。

「競争の厳しい欧州のLCCでは操縦士でも年収300万〜400万円はざらで、高給取りではない。短距離のピストン輸送が多く、休憩時間も短くなりがちです」

 今後の事故が繰り返されぬように、安さの航空競争ではなく、操縦士の待遇問題などにも捜査の目が入るように行方が注目される。


参考:
※週刊朝日 2015年4月10日号
(Yahoo ニュース最終更新:4月1日(水)7時26分)
posted by Nina at 16:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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