「今でしょ」の2013年流行語大賞になった林修氏は、自分の好きなことを仕事としてやっていくことができる人は、本当に幸運だという、つまり氏は「やりたくもない予備校講師を長年やってきたことで、ようやく自分が一番やりたい本を書くという仕事の依頼を次々といただけるようになりました。」と言うのだから意外でした。更に次のようなことも書いています。
本を書くより好きだとはとても言えないテレビの出演の依頼も多数いただけるようになり、肝心な本を書く時間をほとんど捻出できない状況です。だったら、テレビの仕事を断ればいいではないか、という声も聞こえてきそうです。それはもっともですが、「それはちょっと違う」と言いたいのも事実です。
みなさんは、自分の「交換可能性」ということについて考えたことがありますか?
僕は、このことに絶えず自覚的です。 仕事を断ることは簡単ですが、僕でなければできない仕事などほとんどありません。そう、僕にできる仕事は、基本的には他の誰でもできるのです。
ありがたくお受けして、そこで全力を尽くすだけです。
そして、依頼してくれた相手が、「やっぱり林さんにお願いしてよかった」とほほ笑んでくれれば、それでよいではありませんか。こういった「交換可能性」は、すべての人に当てはまる話なのです。
その人がもしいなくなっても、おそらくその会社はしっかり営業を続けるでしょう。
組織とはそういうものであり、また、そういうふうに組織づくりを行うべきなんです。
そんなふうに、誰しもが「交換可能性」に脅かされるように生きているなかで、『アンパンマン』の作者であるやなせたかしさんは、「運に巡り合いたいのならば、なんでも引き受けてみるといい」と言っています。
自分の好き嫌いなどという小さな物差しにこだわらないことが、運に巡り合う秘訣だ。
自分にどんなポテンシャルが眠っているのかは、案外自分ではわからないもの。
第三者が客観的に見たうえでの、「この人にはこの仕事をやらせてみよう」という判断は、意外に正しい場合が多いのです。ですから、自分のモノサシにこだわって、まだわからない未知の才能が花咲く可能性をつぶしてしまうのはもったいない。
『林修の仕事言論』青春出版社
人から頼まれたり、やる羽目になったことは、テストのようなもの。
頼まれたこと以上のことをして、相手を驚かせたり、喜ばせたらテストは合格。
そこから、運がやってくる。
自分の幅を大きく広げてくれるのは、多くは、人からの無茶な頼みや、無理難題にも思えるオーダー。
運は予期せぬ方角からやってくる。そして、自分の枠を超えたところに運は存在する。
なるほど、選挙の結果は結果として、ともかく日本人として社会にあることを試されているとしたら、ここから更に現状を超える努力を絶え間なくやっていくと言うことなのだろう。