素晴らしい世界の一員として貢献したいという偉大な現代人の一人、チェリスト・ヨーヨーマがシルクロードアンサンブルを率いて日本にきた。何でも、キャロライン・ケネディ駐日大使とチェロの先生が同じだったとか、逸話ばかりの人だ。何だか、柳宗悦の生き方、天才の世界観を想像することが出来て参考になる。アジアから西欧に投げかける目線というのを持っていて、芸術の偉大さを言葉を介さずに伝える。
ヨーヨーマは、フランスのパリで生まれる。父親の馬孝駿(Hiao-tsiun Ma)は中国生まれでオーケストラ指揮者で作曲家。母親の盧雅文(Marina Lu)は香港生まれで台湾国立中央大学出身の声楽家。彼の両親は中国を離れパリに渡りその後、彼が7歳の時にニューヨークに移り住んだ。家族は今もニューヨークに住んでいる。
1960年、4歳でチェロを始める以前の幼少の頃より、ヴァイオリンやヴィオラを習い、5歳にしてすでに観衆を前に演奏を行った。7歳の時にはジョン・F・ケネディの前で演奏した。また、8歳でレナード・バーンスタインが行ったコンサートでアメリカのテレビに出演した。クラシック音楽から現代音楽までの幅広いレパートリーを持ち、デビュー当時のテクニックは世界最高ともいわれていた。
1976年に、ハーバード大学を卒業、人類学の学位を取得した。ジュリアード音楽院でレナード・ローズの下に学んでいたが、教師に「君に教えることはもう何もない」といわれ、コロンビア大学を経てハーバード大学に入学したという逸話がある。それでも1970年代にパブロ・カザルスの偉大さに触れるまではまだ学習を続けるべきか否かを迷っていたという。
1982年にバッハの無伴奏チェロ組曲を、ニューヨークで録音する。1994年-1997年にかけて同曲の再録音を行い、「Inspired by Bach」と題して各国のアーティストとのコラボレーションを映像表現した。室内楽にも熱心であり、ジュリアード音楽院時代から親密にしていたピアニストであるエマニュエル・アックスと共演している。
1991年にハーバード大学から、名誉博士号を授与される。
2000年、テレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」(原題:The West Wing)に本人役で出演。
2009年、オバマ大統領の就任式典にて演奏した。
アジアの中で日中韓(朝)の関係は、拉致問題、領土問題で緊張が続くが、芸術・スポーツを通して別の融合・友好の道を探ることを人々が賢く模索すべきだろう。それを芸術・スポーツのスペシャリストたちは自らの使命として活動している。それが超一流の由縁だと言える。
参照:Wikipedia