2014年09月23日

離婚の増加に対応する英仏社会状況

 離婚率が高いフランスで、同棲・内縁関係を公認するような形式のパックスは契約破棄に両者の同意は必要なく、その簡易さがカップルの1つの形として急速に受け入れられた過程がある。捉え方も人それぞれだ。いずれは結婚するつもりでパックスを結婚までのステップと考えている人や、今後も結婚は考えず、パックスのままでいるつもりの人など、「こうすべき」という考え方はなく、お互い意見や状況により使い分けている。またパックス、ユニオン・リーブルのいずれにせよ、日本のように結婚以外の選択だと周囲から好奇の目にさらされるということも、ほとんどない。日本の場合、離婚は役所に離婚届を出すだけで成立するが、フランスでは必ず裁判官により審理が必要となる。そのため日数と費用もかかるという煩わしさも影響しているようだ。

 また、パートナーの姓を名乗るか、自分の姓とパートナーの姓を並べた複合姓を名乗れるという、社会習慣の違いもある。もっとも、パックスは結婚してもパートナーの姓は名乗れない。そのため、子供は両親がどのような関係であれ、父方、母方もしくは両者を合わせた複合姓を名乗る権利がある。複合姓を持つ子供同士が結婚する場合は、4つの中から1つ、もしくは2つを選んだ複合姓を名乗れる。ただし父親が認知していない場合、父方の姓は名乗れない。

 フランスはカトリックに基づく家父長制度の影響が強い国の1つだ。そのような中、少しずつさまざな選択肢が社会で提案され、広げられてきた。これら結婚の形を日本に持ち込む場合、賛否両論あるだろう。しかし変化していく社会の中で、よりよい可能性を探るという点では、選択肢があることは決して悪いことではないはずだ。

 イギリスでは10年以上にわたって結婚生活を続ける夫婦は全体の約半数。残りの半数にあたる夫婦は、その10年を待たずに関係を破綻させ、離婚に至るという。つまりその確率、5割。何十年にもわたって共同生活を営み、さらにはその過程で子供を生んで育てながらも、結婚していない人たちが大勢いる。

 子供に対する法的な扱い。日本であれば、未婚の親の間に生まれた子供は「婚外子」として親の死に際しての相続において制限がつくなどの区別が生まれるが、英国では摘出・非摘出という法的概念そのものがないため、子供にとっての不都合も起きない。さらに、近年になって、結婚した夫婦に対する手当が削減された結果、シングル・ペアレントの方が手当を多くもらえる例も出てくるようになった。

 英国社会が離婚を一つの現実として受け入れて、離婚者に対しての偏見を持たなくなったともいえる。離婚は確かに当事者にとっても、また子供にとっても精神的に非常に辛い経験となるが、それで人生の終わりというわけでももちろんない。結局はお互いに、信頼し合える平等な関係を構築できるかどうか、ということの方が大切となる。ただ一つ言えるとすれば、多くの人々にとって、親になるということ、つまり子供ができた瞬間にこれまでの関係性を見直す結果、2人の関係に変化が生じるのも事実。生まれた子供のために、できるだけ良好な関係を維持し、努力する親が多く存在するのも事実だ。子は鎹というのは、日本だけの発想ではない。
 
posted by Nina at 00:00| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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