近隣の情報をチェックしていたところ、松戸と鎌ヶ谷で市長選が近いことが分かった。
過去に松戸市長を4期務めた川井敏久氏(71)が17日、市役所で会見を開き、任期満了に伴う同市長選(6月8日告示、同15日投開票)に5選を目指し無所属で立候補することを表明した。都市部の市長4期経験者が返り咲きを狙うのは極めて異例で、川井氏は「外側から見ていて今の市政は看過できない。現市長から市政を奪還し、大掃除できるのは4期16年の経験がある私だけだ」と意気込みを述べた。同市長選への正式な出馬表明は川井氏が初めて。
川井氏は、5人が立候補した4年前の前回の市長選で本郷谷健次・現市長に敗れ、次点となった。同選挙の最大の争点が松戸市立病院(同市上本郷)の建て替えで、川井氏は同市紙敷への移転新築を主張。本郷谷市長は現地建て替えを公約に掲げた。その後、多くの議論を経て、同病院の建て替えは同市千駄堀に移転することで計画が進んでいる。
同病院建て替えについて川井氏は会見で「(前回市長選で掲げた)紙敷移転の案は私としては捨て切れないが、千駄堀への計画が進んでいる中で(場所の変更は)難しい。ただし、病床数600床という病院の規模にこだわることはない。松戸の医療環境は大きく様変わりしており、もっとコンパクトな病院にした方がいい」と問題を提起。今回選挙の争点になりうるとの考えを示した。
前回の市長選でも問題視された多選批判については「批判は甘んじて受けとめる。『市長の座をまた欲しがるのか』との意見もあるが、立候補したのは信頼が大きく損なわれている今の市政の状況を見過ごせないということ」と語った。川井氏は松戸市議、県議を経て1994年に市長に初当選し、2010年まで連続4期務めた。同市根本在住。
今回の市長選には本郷谷市長が再選への意欲を示しており、近く正式な出馬会見を行う見通し。
また、鎌ヶ谷では任期満了に伴う市長選(6月29日告示、7月6日投開票)で、市議の岩波初美氏(54)が12日、会見を開き「自主財源を確保できる市政への転換を図る」として無所属で立候補することを表明した。岩波氏は「現市政は3期12年間で組織が硬直化し、市の課題である自主財源の確保ができていない」と指摘。「体質改善し、無駄を省いて、効果的な市民サービスを提供できる市政にしていく」と述べ、省エネ産業の誘致、道路網の整備、市役所改革などを基本政策に掲げた。「しがらみのない市民の力を結集して選挙に臨みたい」として、10日付で「みんなの党」を離党したことも明らかにした。
岩波氏は山梨県出身。1991年に市議に初当選し、現在3期目。同市長選には、これまでに現職の清水聖士市長(53)=3期=が再選を目指して出馬を表明している。