講師の中谷順子氏には、私の論文「我孫子における芸術家村の形成と変遷」(市民図書館に献本)作成で、大変にお世話になったからだ。貴重なデータは総て、千葉の中を歩き回って取材したというのも確認できて納得だった。

「房総を描いた作家たち」には、中谷氏が歩いた場所が地図に標されている(クリックで拡大)
千葉に、これほど文系作品と関係した場所があるのも知ることができたのは、中谷氏のおかげだった。
こうしたデータがあったおかげで、論文の作成に厚みがでた。本によって色々と千葉の良さをお教えいただいたのには、データ出所を明記しただけではとおもっていた。お礼のごあいさつが出来たので、我孫子に来ていただけたのは、大変にありがたかった。
これだけ作家との関連する場所がある千葉県は、史跡巡りなどのPRをすればとおもうが、房総半島の交通網の不備は私たちにとっても近くて遠い。つまり、これからの観光(サステーナブルツーリズム)にとっては最先端を行っているかもしれない。まずは、成田線の布佐”抒情詩人の故郷”ともいえるが、ワーズワースの大好きな国木田独歩や島崎藤村、田山花袋が我孫子の青年詩人・松岡国男(後の民俗学の祖となる柳田国男)の実家で交流したなどもいい例だ。そのあたりも拙論にまとめたのでご一読いただけたら、ご感想をお寄せください。
来月には、日本観光研究学会で発表も予定している。こうした積み重ねで、我孫子をPRしていけたらと考えているが、論文への取り組みは地道な作業だから、私の何倍ものデータ収集に奔走してきた中谷氏には頭がさがる。