満足度ランキングというので、世界でトップとなって君臨するのはデンマークです。
25%もの高い消費税を払っていても、個人が負担する量がフェアであること、必要なときに必要なものを手に入れることができる、というのが主な理由で80%以上のデンマーク人は満足していると言われています。高福祉制度のおかげで、満足のいく生活ができるのは納得がいきます。税金の高負担の代わりに医療費は無料、小学校から大学まで無料で教育を受けることができます。さらに、失業保険もなんと4年間、現役時代の90%が保証されます。留学生でさえ、学生ビザを取得したら医療費は無料だというのです。
デンマーク第二の都市オーフスは、長寿者が元気と活力のある生活を送っている社会「ブルーゾーン」の研究で知られています。人口約31万人のオーフスにはアーティストや学生が多く住み、異なる宗教観を持つ人々が共存しています。住民たちの年入の差がそれほど大きくはないので、コミュニティーに属している感覚や皆平等であることが感じられるようです。また海にも近く、自然に触れる機会が多いところも特徴的です。アメリカのダン・ベッドナー氏の調査でも、地球上でもっとも幸せな4都市の内の1つとして紹介されています(因みに、他3都市は、シンガポール、メキシコのモンテレイ、アメリカのカリフォルニア州にあるサンルイスオビスポ)。
デンマーク人の幸せ(満足度)とは、毎日工夫をして心地よい生活を送ることにあるようです。
確かに、11月以降は基本的に毎日がどんよりと曇り空で、気分も落ち込みぎみになり、そんなところでは気分しだいでいたら、なかなか幸せな気分にはなれないので、毎日工夫するのでしょう。
その上で、上も下もなく次のようなJante Lawの考えをベースに暮らしているということです。
1.Don’t think that you are special.
(自らを特別であると思うな)
2.Don’t think that you are of the same standing as us.
(私たちと同じ場にたていると思うな)
3.Don’t think that you are smarter than us.
(私たちより知的だと思うな)
4.Don’t fancy yourself as being better than us.
(私たちよりも優れていると思い上がるな)
5.Don’t think that you know more than us.
(私たちよりも見識があると思うな)
6.Don’t think that you are more important than us.
(私たちよりも自らを重要であると思うな)
7.Don’t think that you are good at anything.
(なんでも得意であると思うな)
8.Don’t laugh at us.
(私たちを笑うな)
9.Don’t think that anyone of us cares about you.
(私たちの誰かが貴方を気にかけていると思うな)
10.Don’t think that you can teach us anything.
(私たちに何でも教られることができると思うな)
11.Don’t think that there is something we don’t know about you.
(私たちが貴方について知らないことがあると思うな)
デンマーク人にとってもジャンテロウの平等に価値をおくのは国民性の元なようで、こうした理念を国王であれ、国会議員、官僚、大学教授、医者などであれ、当然に戒めとして胸にしまっているはずだと国民は考えているということでしょう。 日本はどうかというと、こうした社会的権威に懐疑的でしょうが、伝統的に一般的には自らに謙遜であるが、その分たしかに不満は膨らむわけです。日本の幸福度ランキングは、英レスター大学の調査では90位、米国の調査機関ワールド・バリューズの43位、いずれでも上位にある北欧諸国と大差です。
デンマークでも米国留学の経験者に言わせると、アメリカでは「他の誰もやらなかったけど、私が一生懸命頑張ってプロジェクトの成功に導きました!」と自信満々に言う人がいるが、デンマークでは「そんな風には絶対に言わない。そんなこと言ったら、きっとJante Lawで、自分のことばかりを考えすぎてる、ちょっと頭冷やしたら、と言われるでしょうね。自分のことを売り込むのは控えめにするぶん、だから仕事を探しているときは苦労した。」とか。
また、晴れれば、外で「え?」と目を疑うようなことをするのだそうです。町の真ん中で、バク転の練習をしている人々を見かけました。天候が悪い日が続いても、心はカラフルな毎日を過ごそうとしているのです。
悪天候や凍るように寒い冬でも、ウインターバスという水風呂に浸かる人々がいます。気分爽快になるのだとか。ネガティブなところをポジティブに変えてしまう遊び心のある聡明さで、肩書では得られない幸せがあること重んじているのかもしれない。
更にいえば、デンマーク第二の都市オーフスは、長寿者が元気と活力のある生活を送っている社会「ブルーゾーン」の研究で知られる、アメリカのダン・ベッドナー氏の調査で、地球上でもっとも幸せな4都市の内の1つとして紹介されています(他3都市は、シンガポール、メキシコのモンテレイ、アメリカのカリフォルニア州にあるサンルイスオビスポ)。
人口約31万人のオーフスにはアーティストや学生が多く住み、異なる宗教観を持つ人々が共存しています。住民たちの間で収入の差がそれほど大きくはないので、コミュニティーに属している感覚や皆平等であることが感じられるようです。また海にも近く、自然に触れる機会が多いところも特徴的です。
物事には、光があれば陰もあります。地球上のどこにも完璧な国は存在しないでしょうから、心の持ちようは大きいはずです。最近、日本では野心のすすめを説いた女性雑誌の記事が話題でした。心の豊かさと野心の両方を持ち、周りの環境に左右されず、夢に向かって時に突き進む勇気を持てるなら、それは理想的な人生です。しかし、立志伝を読んでみれば、最高者と言われる人生にも影があるのです。
様々な異文化に触れて、それぞれの良いところを学ぶのは楽しくもあり、気が付かなかった、自分なりの幸せのスタイルを見出せることもあります。読書の季節、図書館で本を探して、いい週末にしましょう。