2013年09月07日

ブエノスアイレスにて・・・

7日に開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会で、長い招致レースはついに最終コーナーを回り、混戦のまま総会に突入、ここでの投票によって決まる。最終プレゼンテーション(招致演説)がカギを握る展開だ。現地入りしてからの3都市の記者会見では、マドリードが他の2都市の2倍以上のメディアを集め、熱気があると言われている。

 スペインの経済不安が懸念されるマドリードは、それを逆手に取るかのように、3都市で最も安い施設整備費での開催に「低予算でも五輪をできることを証明したい」とアピールしている。東京の「震災から復興した姿と謝意を海外に発信する」、イスタンブールの「東洋と西洋の友好、文化の懸け橋とする」という大義は、マドリードの「コンパクト開催」より、メッセージ性が強く、演説次第では流れを変える力も秘める。 

 IOCの内部事情に詳しい関係者は「わずかな差だがマドリードが優勢」と語った。契機は7月のスイス・ローザンヌで行われた非公開のプレゼンテーションにおいて、フェリペ皇太子(ヨットで1992年バルセロナ五輪に出場)が情感あふれるスピーチで流れを引き寄せたとされる。また、最新の独自世論調査での国民の支持率が91%に上ることを会見で持ち出したマドリードは、中南米のスペイン語圏にも支持基盤があり、12年五輪の立候補時は最終的に31票。16年五輪を招致した4年前もリオデジャネイロとの決選投票で32票を集めた。前IOC会長の長男であるサマランチ・ジュニア理事ら3人のIOC委員を擁したロビー活動は強く、スペイン紙エルムンドは4日、「40票は固く、1回目で過半数も」とマドリードの圧勝を予想。

 東京は、中国、韓国との関係が緊張状態にあり、足元のアジア票は盤石ではない。IOC委員103人のうち、1回目の投票に参加するのは、立候補都市の当該国委員とロゲ会長を除いた97人。大陸別内訳は、アジア23人、アフリカ12人、北中南米勢18人、オセアニア6人、欧州44人。欠席者がいなかった場合、1回目で「一発当選」に必要な過半数は49票となり、過半数に達した都市がない場合には、上位に都市での決選投票となる。

 他方、マドリードが選ばれた場合、04年以降の5回の夏季五輪のうち3回が欧州での開催が続き、欧州偏重となるなどとして、英タイムズ紙は東と西の懸け橋になるイスタンブール開催を支持を明確にした。同紙社説において、福島第1原発の汚染水漏れには触れず、東京については懸念材料がなく選考レースでややリードしていると分析した。 

 明日、もし東京が開催地に決まったら、東京を取材する海外メディアが福島を取材することにも繋がることもあるはずで、東京へきた人々の何割かは福島へ足を延ばすことも考えられ、震災復興への励みにもなる。それはダーク・ツーリズム(世界の負の遺産を検証する旅)とも呼ばれる近年の新しい旅の関心が起きていることからも、可能性が考えられる。災害被災跡地、戦争跡地など、人類の死や悲しみを対象にしたをうした観光は、「悲しみのツーリズム(Grief tourism)」との別名もある。オリンピックの契機によって、改めて被災地・福島へ足を運ぶ新たな海外の波が起きることも考えられる。そうして福島の情報が発信されることが、苦闘する人々を忘れない、復興を推進する力にすることが出来るのではないかと私は期待する。

 当落の結果は同日午後5時(日本時間8日午前5時)からIOCのロゲ会長によって発表される予定だ。ブエノスアイレス(スペイン語で、良い空気という意味)の決定に世界の注目が集まっている。
posted by Nina at 06:33| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

批判相次ぐ、東京のIOC招致委員会

IOC委員が宿泊するブエノスアイレスのホテル内では、票固めのためロビー活動が続いてきた。長い招致レースはついに最終コーナーを回り、混戦のまま総会に突入する。

 猪瀬都知事が国際オリンピック委員会(IOC)総会のためブエノスアイレスに乗り込んだ2日、都内の日本外国特派員協会で原子力規制委員会の田中俊一委員長が記者会見が行われた。そこで、汚染水の放射性物質の濃度を基準値以下に薄めて海へ放出するのもやむなしと田中氏の発言がでたことから、仏AFP通信は「福島の(汚染)放水避けられず」と速報。オーストラリアの全国紙は「海を核の捨て場に」の見出しを掲げ「環境保護論者や漁業関係者、近隣諸国の激しい怒りを買うだろう」と伝えた。

 後手に回った汚染水事故が、五輪招致のみならず、日本政府の信用に影を落としている。開催地決定を前に470億円の国費投入を打ち出したことも「東京の集票目的」とみなされ、反応は極めて辛辣だ。

 外国人記者の東電への不信感は、世界各地の報道に反映されている。独紙フランクフルター・アルゲマイネは「東電は外国人記者に『原発は制御下にあり危険は全くない』と説明したが、汚染水は太平洋に流れ込んでいた。こうしたウソと隠蔽工作で、東電が本当に事故から学んだのかと国民は疑念を深めている」と非難した。

 マドリードに本社を置くスペイン通信社の東京支局の男性記者、アンドレス・ブラウン氏は、震災後に宮城でボランティアをしながら、福島の被災者を取材してきた。参院選直後に汚染水漏れが発表された背景に意図的なものを感じており「東電をウソつきとまでは呼ばないが、事実を矮小化させ発表しているのが分かる」と言う。

 フランスRTL放送の記者、ジョエル・ルジャンドル氏は3・11以前から日本で取材している。フランスも原発大国だが、原発への賛否以前の問題として、東電の企業体質に嫌悪感を抱いていると語る。「情報を公開せず、疑惑が浮上するとまず全否定する。ほとぼりが冷めたころに事実を認めるので非常にずる賢い。日本人や日本メディアの忘れやすい気質を利用している」と語った。

 東京の招致委員会が現地入り後、初の会見となった4日、経済力の強みを前面に打し、8月に行われた陸上世界選手権の公式スポンサー7社のうち4社が日本企業であることを強調しても、報道陣からの六つの質問中、4問は汚染水漏れに集中。竹田恒和理事長は「東京は福島から250キロ離れ、安全だ。皆さんが想像する危険はない」と懸念の否定に追われた。

 しかし、この発言は、東京電力福島第1原発事故に苦しむ福島県民から「東京が安全ならいいのか」「差別的だ」と反発の声が出ている。「『東京は安全』と強調するのは『福島の現状はひどい』と認めるということ」。福島市から東京都練馬区に自主避難している主婦(37)は憤る。(共同)
 
 7日に開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まる。当落の結果は同日午後5時(日本時間8日午前5時)からIOCのロゲ会長によって発表される予定だ。


 

 
posted by Nina at 06:27| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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