観光道路としての東京湾アクアライン料金引き下げに伴い、観光客増加や物流促進が予想されるため、国の東関東自動車道館山線4車線化の一部(63億7500万円)を負担している。それでアクアラインがようやく使われる道路らしくなってはきたが、その為に県税が相当に投入されていることも県議会では指摘がされていました。
そもそもは、故・浜田幸一(千葉3区自民党より衆議通算7回当選。その間に衆議予算委員長、自民党広報委員長、党副幹事長などを歴任。背任罪の公判は被告人・浜田本人の死亡により2012年公訴棄却)が主に実現させたこの海底トンネル高速道路は、1兆4400億円もの建設費がかかっていました。基礎建設費や有利子負債の返済どころか、保守・維持管理費すら捻出が厳しい日本一論外の超大赤字路線になっていた税金の無駄使いのシンボルです。
その料金は、全車種8000円以上の料金に設定し、見込みの台数が通行するならば、建設費・有利子負債が返せるという水準の路線としていましたが、果たして通行台数は伸びません。あまりに利用されないなら、「社会実験」という名の下に全く収支が合わない特別料金にして、ともかく車を走らせるとどういう効果が表れるかの実験が継続中ということです。普通車が800円、超特大車が2200円、大型車でも4950円、軽自動車やバイクについては640円。
もし、その「800円の維持恒久化」という破滅的な財政負担をもたらすプランを実行することを国に求めるというならば、千葉県や木更津市、袖ヶ浦市、君津市などの税金でその8割以上を維持するという公約とセットでやってもらわなければ、自動車に乗らない人や千葉県民以外には関係のない極端な税金浪費が続くと周辺からは批判が強くなってきています。
森田知事は元々、2期しかやらなともいって立候補していました。若い頃、俳優として「俺は男だ!」に出ていて剣道の名人を演じ剣道二段を称したが、実際は無段だったとの暴露話は有名です。知事選に出馬した選挙戦では「完全無所属」として選挙活動をして、実際は自由民主党支部長だったとの事と共に分かってきたことでしたが・・・。地方・国会議員の特権である「議員年金」の廃止にもかつては賛成していたはずが、自身が国会議員になると態度をひっくり返して維持・賛成にまわったとか・・・・。知事2期目の間にも社会実験は続くものの、その後はどうなるのか?
●アクアラインの利用者は、県外に出る方が多い?!
ところで、千葉県民として県税もこれに当てられていることを考えると、他県で用事を済ませて千葉県に帰って来るのでは、通行料金を安くした意味がありません。造る時には千葉県へ南関東からの来訪者が増えるので、県としての経済効果は莫大であるという触れ込みでしたが、開通当時から県外に出て行く方が多いのではないかという懸念する声があり、結局そのとおりになっています。それでも、森田知事は千葉県の活性化と税収増を目指すと言っています。
それなら、仮に安くするとしても、県外に出て行く方の料金は下げない方法もあります。赤字削減のためには、アクアラインの通行料金を800円に値下げしたからと言って、73億円もの県費負担にみあうよう元が取れるか疑問視されています。
海上の高速道路を1万4000人が走った「ちばアクアラインマラソン」も行われましたが、千葉県は同大会の経済波及効果が15億1000万円に達したとの推計をまとめたものの、6時間に及ぶ通行止めでマイナスの影響も発生したことの検証をすることになりました。今後の開催の継続可否は別として、2013年度は「スケジュール的に難しい」(県教育庁体育課)として開催を見送る方針となっています。
アクアラインマラソンは、2012年10月21日に初めて開いた森田健作知事肝煎りの催し。参加者の半数は県外からの来訪者が占めました。大会による需要増加額は14億7900万円。警備や広報イベントに5億円弱の事業費をかけたほか、参加したランナーや応援者が食事や宿泊などで10億円弱を消費したとみられる。経済波及効果は沿道の応援者が31万人と予想を上回ったため、当初想定より5割多い規模となったされていました。マイナスの経済的な影響とは、会当日は午前8時から6時間、東京湾アクアラインが通行止めになって、大会がなければ訪れていた観光客の消費分を8600万円を重視したということです。
また、海上にかけられた橋の上を走るため、開催日は比較的風が強くない10月に決めていたが、この時期の休日は、ゴルフ場などの観光施設にとっては利用者の多い時期。県内のゴルフ場関係者からは「1年で最も書き入れ時の日なのに」と嘆く声も上がっていました。
運営上の課題も大きくなっており、県は高速上の電波の弱さで連絡体制が十分に整わなかったことなどをあげています。「ノウハウ・人員・予算運用面で多くの課題があることが明確になった」と公表していました。大会当日の気温が高く、未経験ランナーが多かったことから救護を受ける人が続出したため、完走率が74%と低かった。ただ開催後の参加者アンケートでは次回大会に参加したいとの回答が完走者で85%、棄権者でも81%に達していました。千葉の印象は良くなったと考えられます。
ところで、県税による総収入は7165億、うちアクアライン約20ケ月分の施策で73億の投資に対して県税収入がどれだけ増えるのか、アクアラインマラソン大会も始めたものの、継続ならずからして、そろそろ決着をつけなくてはいけない時なのではないでしょうか。森田知事の一声で決まった社会実験は、県民には関心がどうもたれているのか、莫大な税金投入の一方で納税者はそれに気づかないままです。
アクアライン800円の実現に73億円超!とは、森田知事はこれまでにも、千葉県補正予算案などなど、あの手この手で県税の投入で自身の公約実現を推し進めるが、効果はいかがなものなのか、県内の税収割合の多くを占める東葛地域にはどういう評価がくだせるか?? 秋に行われたアクララインマラソンが取りやめになった今年、改めて県税の使われ方、県政を考えてみる必要があるのではないでしょうか。
出典:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090528-00000072-mailo-l12