日本列島は千年に一度の暑さに見舞われたとも言われているこのところ、多くの企業もお盆休みに入ったところでしょう。暑いから、お昼のメニューが思いつかないというような時、あちこちに目にする回転すしに行ってみるのも、良いのではないでしょうか。
ところで、この回転すしを思いついたのは大阪のお寿司屋さんでした。
そのころ、街のお寿司屋さんで大切なことは「うまい」「早い」「安い」の立ち食い寿司。
でも、これは当たり前、それに加えて、「おもしろさ」が大事だと考えた。『常識を疑うことから始めよう』“ひすいこたろう・石井しおり”(サンクチュアリ出版 ) に、ビール工場を見学しに行ったときのこと、ビール瓶が大量にコンベアで運ばれていくのを見て、「そうだ、コンベアで寿司を回してみよう」とひらめいた。職人を囲み、そこに寿司を回して、お客様に自由に取ってもらう。コンベアで回ってくる寿司を見たら絶対に「おもしろい」ので、絶対に人々に「ウケる!」と確信したそうです。
こうして1958年、大阪府布施市(現:東大阪市)の近鉄布施駅北口に、世界最初の回転寿司店である、「元禄寿司」を開いた。そして1962年12月6日、「コンベヤ旋廻食事台」は「コンベヤ附調理食台」として、白石義明名義で実用新案登録(登録第579776号)される。1970年、大阪万博では話題沸騰、1978年までコンベアの特許の関係で回転寿司店は「元禄寿司」チェーン化はしなかったし、それ以降は特許が切れ、全国に様々な回転寿司店が全国に広がったというわけでした。
「寿司が回ったらおもしろい」という、たったひとつのアイデアが、いまや世界20ヶ国以上で楽しまれています。ユーモアや楽しさが加わると、そのアイデアを受け入れやすくなる。新たなアイデアが大成功するかどうかは、ひらめきや努力が大事だが、それを「正当化」されて、受け入れられると一般化して、広まるということになる。驚きの回転ずしが、今や日常的な光景、世界の中へ日本が進出し、「Sushi」として浸透していっています。思わず笑ってしまったり、驚いたりする、「おもしろい発想」だとなると、成功へつながるのだそう、外貨を稼ぎまくる日本製テレビや自動車によってJAPAN AS No1 と言われるようになりながら、エコノミックアニマルと揶揄され、バッシングされた頃からすれば、今やヘルシーで楽しい和食文化、おしゃれなカルチャーに対して、日本への目線は称賛に変わってきていると感じます。