梅雨が戻ったりしたかと思った直後に、暦では立秋(8/7)、しかし連日30度超えする様子は、本州も亜熱帯化したのではないかとさえ思えますが、皆さまはどうお感じになっておられるでしょうか。
本来、地面は土で覆われた、水蒸気で空気を冷やし気温上昇を抑えてくれますが、都市化の進んだエリアはアスファルトに覆われているため、打ち水を水をしても蒸気があっという間に乾いてしまい、ずっと暑いままということになります。さらに、エアコンの室外機などにより、人工的に熱気が出ているので、都市化が進むと、ヒートアイランド現象が起きやすくなります。だから熱が逃げにくいん都市構造ができあがると熱中症が出やすくなるのです。また、アスファルトの地面は昼間の照り返しの光やビルから発せられる熱が放射し合って、熱が空に逃げていきにくいのだそうです。信号待ちなどでも、上からの光だけでなく、下からのまぶしさ、じりじりくる暑さを感じるアレです。ということは、冬はすごしやすい構造になるのかもしれませんが・・・・。高いビルが多いとそれに遮られて風通しが悪いか、ビル風の突風が吹きまくる。風を失った東京の「過ごしにくさ」を避けることが出来る我孫子は朝夕の涼しい風に救われます。
都市化が進んだ最たる地域と言えば、特に東京23区をはじめとする首都圏とは我孫子は気温が3度も違います。東京の昼間の熱い空気は、以前は海風に冷やされ、気温もある程度抑えられていたが、今では高層ビルに遮られ、湾岸からの海風が吹き込まなくなってきているのだと言われます。かつて、江戸の下町では、縁台だして夕涼みとか、しかし、現在の夏の過ごしにくさには、風も関係しているとみる説があります。「1ヵ月平均の風速を見ると、1960年代〜80年代まで東京の8月は3〜4m程度だったのが、1992年〜93年ぐらいから2m台になっています」(森氏)、つまり高度経済成長期が始まった1960年代から、バブルがはじけた1990年代頃までにかけ、新宿の中心部のみならず湾岸部にも次々と高層ビルが建設されていって夕涼みの風情は消えました。
実は、2007年に東京管区気象台の露場が大手町から皇居外苑北の丸公園に移された、その背景には大手町付近の市街地は高層の建物が密集して立ち並び、気象観測に必要な環境が確保できないという理由があったといいます。北の丸公園は森林公園として使用する目的から、建物などの整備が制限されていて、気象観測に必要な環境を将来長く維持できる適切な場所であると判断されたのである。まさにこの例をとっても、都市化によって風が吹かなくなったことを表しているようです。
せめても、郊外型田園都市の我孫子は、自慢じゃないですが、林立するビル群がない! 過ごしやすい夏の避暑地の雰囲気をまだしも残してくれているということに感謝です(自分も、土地開発したエリアに住んでいるのだから、あまり大きい顔が出来ないのです)・・・。ムクドリも我孫子の駅周辺が大好きなのも、そう思えば、少しはフン害への憤慨もおさまります。山階鳥類研究所が渋谷から移転してきたのも、なるほど成るほどですね。
というわけで(?)、これからの残暑の長きを思って、いよいよ塩あめを買いに行った方がいいかなと考えながら、今日のブログを書いています。
*露場 ・・・・・ 降水量・気温・湿度の観測においては、自然風を妨げない柵などで仕切って測器への不慮の障害を避け、芝を植生して日射の照り返し、雨粒の跳ね返りを少なくすることが一般的です。
この観測場所を露場といいます。露場の面積は広い方が望ましく、気象庁の観測所においては原則として一辺の長さが20m以上でおおよそ600平方メートル以上の面積を確保します。