日本で、議席が確定したその日、英・ウイリアム王子夫妻にロイヤルベイビー誕生の報道がされ、王子は「この上ない幸せ」と、伝えた。
実は、この発表がされる以前に、英国は出産に備え王位継承法を改正し、性別に関係なく直系長子に優先して王位を継承させることにしていた。これは、キャメロン首相が社会の性差解消の必要性、男女平等の流れから必要と判断したものだ。
既に、英国で王位継承順位が大きな話題になったのはウィリアム王子とキャサリン妃が結婚した2011年4月以降。男性が優先されていたこれまでの王位継承法についてキャメロン首相は、「異常であり男女平等に反する」として法を改正する意思を示し、英連邦各国首相に書簡で説明した。現エリザベス女王の人気の高さなどもあり国内に女王に対する違和感はほとんどなく下院、貴族院とも大きな反対なしに4月に継承法を改正した。
一方、英国の国王(女王)は、英国のほかオーストラリア、ニュージーランド、カナダなど英連邦の15カ国の元首を兼ねている。11年10月に開かれた英連邦首脳会議で継承規定の改正は原則合意されているが、各国は個別に法律を改正する必要があった。現時点で法改正したのは3カ国だけだが、今回男児が誕生したことで、他の12カ国も法改正を特段急ぐ必要はなくなったことになるが、率先して変えたイギリス、そして女性参政権を世界に先駆けて法規定したニュージーランドが含まれており、時代の趨勢は明らかだ。
小泉首相当時、天皇家に内親王ばかりという中で、日本でもこうした議論がされたが、とん挫した経緯をみると自民党の中にも多くの考えの幅があるのであり、国民がどう支持するかでも未来は違ってくるということではないだろうか。