手賀沼のほとりに集う白樺派の芸術家村の中に、陶芸家を目指す若き英国人・バーナード・リーチの姿がありました。やがて、リーチは我孫子を去り、我孫子で昵懇になった濱田庄司を伴い、英国コーンウォール地方の港町セント・アイヴスに移って、本格的な作陶窯を築きます。作品はなかなか売れる所までにはいかず、子だくさんのリーチ家は困窮する日々もありますが、柳らとの厚い友情を生涯にわたって持ちづ付けます。それは、我孫子の柳邸で兼子さんが作った、エスニックなカレーの香りと味が思い出されたことでしょう。

そんなことをイメージして、白樺カレーが作られるようになりましたが、最近はカレーパンも売りだされました。セントアイブスの窯の前では、地元名物パスティ(ポテトと肉類をパン生地で包んだ大きな餃子のようなもの)をもぐもぐやりながら、目をこすりこすり窯の火を見守ったことでしょう。今、コーニッシュ・パスティと、白樺派のカレーの味が、時を超えて「東と西のマリッジ」となって、食事の時間のみならずオヤツにも手軽に食べられるようにアレンジさました。白樺派のパスティおよびカレーパンも、古き良き時代に思いを馳せ絶妙の味が楽しめます。ちょっぴり地元自慢にお土産にすることも気楽に出来るようになりました。
もっとも、柳兼子さんについて目にするのは我孫子では白樺カレーですが、芸術家としての兼子夫人の活動を、もっと分かりやすい形で知らせてもらえたらなあと思うこの頃です。
文士村で知られる阿佐が谷でもレトルトカレーが販売されるとの事です。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130117/tky13011716300002-n1.htm